あなたはストップ高で特買いとなっている株式に買い注文を入れたにもかかわらず、購入できずに終わった経験はありませんか?それは「比例配分ルール」というのがあり注文方法によって購入者が決まるからです。
結論から言うと「成行で株数が多く、より早い時間に注文を出す」ことで購入できる可能性を飛躍的に上げることが可能となります。
この記事ではストップ高の比例配分ルールについて簡単に分かりやすく説明していきます。
目次
ストップ高とは
ストップ高とはその日の値幅制限の上限まで株価が上昇していることを指します。
例えば前日の終値が2,500円だった株式があるとしましょう。その株式の値幅制限は上下500円であり、下限は2,000円、上限は3,000円となります。
ストップ高というのはこの上限の3,000円になることを示します。
ストップ高となった株式はその日はそれ以上株価が上昇することはありません。
値幅制限とは
値幅制限とは前日の終値を基準に、その日の株価の変動の下限と上限を定めるものです。
前日の終値を基準値段とし、値幅が異なります。具多的上下の値幅は以下の表をご覧ください。
基準値段(前日終値) | 制限値幅 |
---|---|
1円~99円 | 上下 30円 |
100円~199円 | 50円 |
200円~499円 | 80円 |
500円~699 円 | 100円 |
700円~999円 | 150円 |
1,000円~1,499円 | 300円 |
1500円~1,999円 | 400円 |
2,000円~2,999円 | 500円 |
3,000円~4,999円 | 700円 |
5,000円~6,999円 | 1,000円 |
7,000円~9,999円 | 1,500円 |
10,000円~14,999円 | 3,000円 |
15,000円~19,999円 | 4,000円 |
20,000円~29,999円 | 5,000円 |
30,000円~49,999円 | 7,000円 |
50,000円~69,999円 | 10,000円 |
70,000円~99,999円 | 15,000円 |
100,000円~149,999円 | 30,000円 |
150,000円~199,999円 | 40,000円 |
200,000円~299,999円 | 50,000円 |
300,000円~499,999円 | 70,000円 |
500,000円~699,999円 | 100,000円 |
700,000円~999,999円 | 150,000円 |
ストップ高の比例配分とは
ストップ高の比例配分とは、ストップ高のままその日の取引終了時間を迎えることで発生します。
上の画像は1,045円でストップ高している画像です。
売り注文は1,045円で指値と成行を合わせて34,700株、買い注文は1,045円で指値と成行を合わせて582,000株あります。
需要と供給がマッチしている分、つまり34,700株分はその日の取引終了時刻に1,045円で取引が成立します。
この時売り注文は全て約定されますが、買い注文は582,000株のうち34,700株のみ約定されます。ここで「誰の買い注文が約定するのか」を選ぶのが「ストップ高の比例配分」となります。
また比例配分は「ストップ配分」とも言われますので覚えておきましょう。
ストップ高の比例配分の仕組み(各証券会社への割り振り)
ストップ高の比例配分は各証券会社において買い注文数量が多い順に最小単元ずつ配分します。配分が一通り完了したら再度買い注文数量が多い順に最小単元ずつ配分となります。
配分する株式が無くなるまでこれを繰り返していきます。分かりやすく例を挙げて説明しますね。
<例>
ストップ高での売り注文:1,300株
証券会社Aのストップ高での買い注文:100,000株
証券会社Bのストップ高での買い注文:80,000株
証券会社Cのストップ高での買い注文:50,000株
証券会社Dのストップ高での買い注文:20,000株
最小単元:100株
この場合の各証券会社への配分は以下の表の通りとなります。
項目 | 証券会社A | 証券会社B | 証券会社C | 証券会社D | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
買い注文 | 100,000株 | 80,000株 | 50,000株 | 20,000株 | 250,000株 |
配分(1回目) | 100株 | 100株 | 100株 | 100株 | 400株 |
配分(2回目) | 100株 | 100株 | 100株 | 100株 | 400株 |
配分(3回目) | 100株 | 100株 | 100株 | 100株 | 400株 |
配分(4回目) | 100株 | 100株 | |||
配分数量 | 400株 | 300株 | 300株 | 300株 | 1,300株 |
上表の通り売り注文合計1,300株の配分は証券会社Aが400株、証券会社Bが300株、証券会社Cが300株、証券会社Dが300株となります。
その後、各証券会社から買い注文を出した人へ配分されていきます。
ここで注意が必要なのが各証券会社によって配分のルールが違います。
あなたの利用している証券会社の配分方法をよく理解した上で注文を出すようにしましょう。
ストップ高の比例配分ルール(証券会社5社のルール)
ストップ高の比例配分ルールは各証券会社によって違います。以下の5つの証券会社にて比例配分のルールをまとめましたのでご覧ください。
①SBI証券
②LINE証券
③GMOクリック証券
④松井証券
⑤DMM証券
①SBI証券の比例配分時ルール
SBI証券の比例配分時ルールは以下の通りとなります。
“
(1)成行注文
SBI証券HPから引用
(2)寄成注文
(3)引成注文
(4)不成注文
(5)制限値段(ストップ高・ストップ安)の指値注文・制限値段(ストップ高・ストップ安)の寄指注文
(6)制限値段(ストップ高・ストップ安)の引指注文
上記の順位で、1注文ごと1単位ずつ原則配分を行います。 また、 1注文ごと1単位ずつ一通り配分を行ったのち、2単位以上の注文に対し2順目以降も上記条件で1単位ずつ配分を行います。
・なお、上記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)のそれぞれの注文における優先順位は、まず発注時刻※を優先し、次に発注時刻※が同一の場合には抽選を行い、優先順位を決定いたします。
※逆指値注文においては、取引所発注条件を充足し取引所へ発注された時刻を発注時刻といたします。 また、前営業日の大引け後からストップ配分が行われた日の当社システム業務開始時間(午前8時00分頃)までのご注文については発注時刻を同時刻として取扱います。
要約すると成行で株数が多く、より早い時間に注文を出すことで配分される可能性が高くなります。
②LINE証券の比例配分時ルール
LINE証券の比例配分時ルールは以下の通りとなります。
1.執行条件>2.注文単価>3.受注日時
また、「1.執行条件」および「2.注文単価」における優先順位は以下のとおりです。
ストップ高時:「成行」>「不成(単価降順)」>「指値(単価降順)」ストップ安時:「成行」>「不成(単価昇順)」>「指値(単価昇順)」
注文価格を訂正した場合には、訂正を受付けた時間が受注日時になります。
要約すると成行で株数が多く、より早い時間に注文を出すことで配分される可能性が高くなります。
③GMOクリック証券の比例配分時ルール
GMO証券の比例配分時ルールは以下の通りとなります。
ストップ高、ストップ安で比例配分が行われる場合、当社では以下の基準で定めた順に割当を行います。
GMOクリック証券HPからの引用
1.お客様単位に注文数量を合計します。
2.注文合計数量の多いお客様から順に1単元ずつ配分を行います。
3.割当数量が無くなるまで2.を繰り返します。
要約するとより多くの注文を発注している方から順に配分されます。
④松井証券の比例配分時ルール
松井証券の比例配分時ルールは以下の通りとなります。
1.注文の値段・執行条件の優先順位が高い順(成行・寄付優先)
松井証券HPからの引用
2.値段・執行条件が同じ場合、該当注文の株数が多い順
3.値段・執行条件および注文株数が同じ場合、受付時間の早い順
要約すると成行で株数が多く、より早い時間に注文を出すことで配分される可能性が高くなります。
⑤DMM証券の比例配分時ルール
DMM証券の比例配分時ルールは以下の通りとなります。
1.価格【優先度高 成行・寄成→引成→不成→指値・寄指→引指 優先度低】
DMM株公式HPより引用
2.受注時間(注文を訂正した場合は、訂正時間が受注時間となります)
3.注文株数
※複数の注文がある場合でも、1人のお客様が1巡内で配分されるのは1単元のみです。
要約すると成行で株数が多く、より早い時間に注文を出すことで配分される可能性が高くなります。
証券会社5社の比例配分ルールまとめ
証券会社5社の比例配分ルールを表にまとめましたのでご覧ください。
証券会社 | 比例配分ルール優先度 | |
---|---|---|
① | SBI証券 | ①成行 ②株数多く ③早い時間 |
② | LINE証券 | ①成行 ②株数多く ③早い時間 |
③ | GMOクリック証券 | ①株数多く |
④ | 松井証券 | ①成行 ②株数多く ③早い時間 |
⑤ | DMM証券 | ①成行 ②株数多く ③早い時間 |
上記5社の場合、「GMOクリック証券」は「株数の多さ」のみで配分されることが分かります。
その他4社の「SBI証券」「LINE証券」「松井証券」「DMM証券」は全て同じ条件で、「成行で株数が多く、より早い時間に注文を出す」ことで配分される可能性が高くなります。
まとめ
ストップ高で特買いとなっている株式は「比例配分ルール」により購入者が決定します。
各証券会社によって配分方法のルールは異なりますが多くの証券会社では「成行で株数が多く、より早い時間に注文を出す」ことで購入できる可能性を飛躍的に上げることが可能となります。
その他、本記事内でお伝えした「ストップ高の比例配分ルール」に関する重要なことをまとめましたのでご覧ください。
・ストップ高とはその日の値幅制限の上限のまで株価が上昇していること
・値幅制限とは前日の終値を基準に、その日の株価の変動の下限と上限を定めるもの
・ストップ高の比例配分とは、ストップ高のままその日の取引終了時間を迎えることで発生する
・「比例配分」は「ストップ配分」とも言う
・ストップ高の比例配分は注文数量が多い証券会社順に最小単元ずつ配分し、配分が一通り完了したら再度買い注文数量が多い順に最小単元ずつ配分する。上記内容を配分する株式が無くなるまで続ける。
・各証券会社での配分ルールは以下の通り
①「GMOクリック証券」は「株数の多さ」を基準に配分される
②「SBI証券」「LINE証券」「松井証券」「DMM証券」は「成行で株数が多く、より早い時間に注文を出す」ことで配分される
ストップ高の比例配分ルールを知り、あなたも比例配分されるような注文方法で買い注文を出せるようにしましょう。
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