株式市場には「空売り規制」という措置があります。これはおもに空売りによる相場操縦を防ぐ目的のものですが、空売り規制の対象となるのは「トリガー接触銘柄」です。
では、トリガー接触銘柄とはどういったものなのでしょうか?答えは1分で解決しますので当記事を参考にしてください。
目次
空売り規制のトリガー接触銘柄とは?
空売り規制のトリガー接触銘柄とは、「基準価格(通常前日の終値)」から10%以上の下落した銘柄のことを指します。
例えば、基準価格が1,000円であれば100円以上の下落が発生すると下落率は10%以上とになります。よって、900円以下になるとトリガー接触銘柄です。基準価格が3,000円であれば、300円以上の下落をすると10%以上の下落率となります。そのため、2,700円以下になるとトリガー接触銘柄となります。その他の例を挙げると以下のとおりです。
基準価格 | トリガー接触銘柄になる価格 |
---|---|
100円 | 90円以下 |
500円 | 450円以下 |
1,500円 | 1,350円以下 |
5,000円 | 4,500円以下 |
8,000円 | 7,200円以下 |
このように基準価格から10%以上の下落をした銘柄を空売り規制のトリガー接触銘柄と呼ぶのです。トリガー接触銘柄の場合、「空売り規制」の対象となるため、注文数量に規制が入ります。詳細は次章でお伝えしていますのでそちらをご確認ください。
空売り規制を解説!どのような規制が入るのか?
空売り規制とは、株価相乗を防止するために金融商品取引法施行令により定められた措置です。空売りを利用して相場を意図的に下落させる行為を防止するためにあります。
空売り規制になると51単元以上の新規売り注文ができなくなります。51単元とは、100株で取引される銘柄であれば5,100株です。1,000株なら51,000株になります。
先に解説したように、基準価格から10%以上の下落をした銘柄は空売り規制の対象となるため、51単元以上の新規売りができなくなります。51単元以上の新規売り注文を出したとしても取消されてしまうので気をつけておきましょう。
分割注文でも空売り規制の対象になる
注文を複数回に分けて出し、その総数が51単元以上になる場合でも空売り規制の対象になります。
例えば、1単位が100株の銘柄に以下のような注文を出したときです。
- 1回目の注文:2,000株
- 2回目の注文:1,800株
- 3回目の注文:2,300株
- 注文合計:6,100株
上記では注文合計が6,100株となっており、51単元以上(5,100株以上)です。こうした分割注文でも空売り規制の対象になります。よって、51単元以上になるときの注文(今回であれば3回目の注文)を取消されてしまうことがあるので注意しないといけません。
それだけなら良いのですが「空売り価格規制違反」になることがあります。空売り価格規制違反になると、「金融商品取引法施行令」に基づいて、30万円以下の過料処分が課されることもあるので気をつけないといけません。
空売り規制の期間はいつまで続くのか?
空売り規制の期間は、その銘柄がトリガー接触になったときから翌営業日の取引終了までです。よって、トリガー接触になったその日と翌営業日の2日になります。
例えば、10日にトリガー接触になったのであれば、10日と翌営業日である11日の取引終了までが空売り規制の期間となります。25日にトリガー接触になった際は、25日と翌営業日である26日の取引終了までが空売り規制の期間です。
複数の市場に上場している銘柄は市場によって期間が異なるケースがある
例外として、空売り規制の期間が通常とは異なるケースもあります。それはトリガー接触になった銘柄が複数の市場で上場している場合です。
銘柄によっては複数の市場で上場しているケースがありますが、主たる市場とそうでない市場では空売り規制の期間の扱いが異なってくるのです。
- 主たる市場:トリガー接触になった時点から翌営業日の取引終了まで
- それ以外の市場:上記と同様
主たる市場が東証一部だとして、東証一部でトリガー接触した際は、どの市場でもトリガー接触となった時点から翌営業日の取引終了までとなります。しかし、以下のような主たる市場以外でトリガー接触となったケースの場合は期間が異なります。
・トリガー接触した銘柄が上場している市場:トリガー接触になった時点から翌営業日の取引終了まで
・それ以外の市場:規制なし
主たる市場が東証一部だとして、東証二部でトリガー接触したとします。この場合、空売り規制の対象となるのは東証二部だけです。東証一部は対象外ですし、それ以外の市場も対象外となります。例えば、マザーズにも上場しているならマザーズは対象外ということです。
このように、複数の市場に上場している銘柄は市場によって空売り規制の期間が異なるケースがあります。頻繁にあることではありませんが覚えておくと良いかと思います。
まとめ
空売り規制のトリガー接触にするとは、その銘柄の基準価格から10%以上下落することを指します。トリガー接触になった銘柄は51単元以上の空売りはできなくなります。なお、分割注文で51単元以上を発注した際も空売り規制の対象になるので注意です。
空売り規制は通常、トリガー接触となったその時点から翌営業日まで続きます。ただし、複数の市場に上昇している銘柄の場合、トリガー接触になったのが主たる市場かそうでない市場かで異なってきます。 主たる市場であればすべての市場で空売り規制となります。しかし、そうでない市場ですとトリガー接触した市場のみが空売り規制の対象となると覚えておいてください。
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