短期間で利益を積み重ねるスキャルピングは、お小遣い稼ぎを目的とする人から生業とする人まで存在する人気の投資手法です。スキャルピングを成功させるには、いくつかのテクニカル指標を組み合わせることが有効となります。今回の記事では、スキャルピングに適したテクニカル指標の組み合わせを紹介していきます。
目次
スキャルピングでおすすめのテクニカル指標とは?
スキャルピングは、1つの取引から得られる利幅が小さいため、トレンドをいち早く察知して売り買いをする必要があります。おすすめの主要なテクニカル指標は以下の4つです。
- 移動平均線
- ボリンジャーバンド
- MACD
- RSI
移動平均線とボリンジャーバンドは、トレンド系のテクニカル指標です。一方、MACDとRSIはオシレータ系のテクニカル指標です。ここからは、それぞれの指標の特徴を解説していきます。
移動平均線
移動平均線は、単純移動平均線と加重移動平均線があります。単純移動平均線は、過去の一定期間内の価格を平均化した指標のことを言います。一方で、加重移動平均線は、単純移動平均線に直近価格の比重を大きくした指標のことを言います。
スキャルピングは短期間のトレンドを見つけ出す必要があるため、単純移動平均線よりも加重移動平均線のほうが一般的に優先して使用されています。
ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドは、一定期間内に算出される移動平均線から上下に離れたところに描かれる線のことです。相場の過熱感を示している指標で、期間のほかに偏差と呼ばれる数値を変更することができます。
一般的にスキャルピングで使用されているボリンジャーバンドの設定は、期間9日または10日、偏差2σとなっています。
MACD
MACDとは、短期と中長期の移動平均線の差を応用したMACDラインと、さらに期間内で平均化したシグナルラインから相場のトレンドをつかむことができるテクニカル指標です。MACDは、短期と中長期の期間とシグナルラインの期間の変更が可能です。
MACDラインがシグナルラインを上に突き抜けたときをゴールデンクロスと呼び、買い相場であることを示しています。一方、MACDラインがシグナルラインを下に突き抜けたときをデッドクロスと呼び、売り相場であることを示しています。
RSI
RSIとは、過去の一定期間内から考慮して、現在の市場では買われすぎなのか、それとも売られすぎなのかを0~100の数値で示した指標です。一般的には、70~80で買われすぎ、20~30で売られすぎを示していると判断されることがあります。
スキャルピングでは、市場の過熱感から次の値動きを予測するときに活用することができます。
スキャルピングで使えるテクニカル指標の組み合わせ
テクニカル指標を組み合わせるときのポイントは、トレンド系のテクニカル指標とオシレータ系のテクニカル指標を織り交ぜて選択することです。今回は、具体例として以下の組み合わせを紹介します。
- 移動平均線とMACD
- ボリンジャーバンドとRSI
トレンド系とオシレータ系を組み合わせることで、一方のデメリットを補い合う関係性となることがあります。
移動平均線とMACD
移動平均線は、トレンド系のテクニカル指標です。過去の価格推移や現状価格から今後のトレンドを予測していきます。
一方で、MACDは移動平均線から算出したトレンドラインとMACDラインの変化から、トレンドをいち早く知らせてくれるオシレータ系のテクニカル指標です。
移動平均線では、価格上昇の兆しが遅くなってしまい買い場を逃してしまうことがあります。また、MACDではトレンド転換のサインが早く出すぎてしまいだましとなってしまうことがあります。短期間に決断を行わなければならないスキャルピングでは、移動平均線とMACDのトレンドが一致したタイミングを売買の判断基準にすることをおすすめします。
ボリンジャーバンドとRSI
ボリンジャーバンドは、バンド幅から価格推移が外れることで市場の過熱感を感知することができるトレンド系のテクニカル指標です。RSIは過去の取引から、現在は売られすぎているのか買われすぎているのかを判断することができるオシレータ系のテクニカル指標です。
どちらも市場の過熱感を別の角度から察知することを目的とした指標です。
ボリンジャーバンドとRSIを組み合わせた場合、逆張りの成功率が高まります。ボリンジャーバンドの+2σ幅を市場価格が上にブレイクアウトし、RSIが70を超えている場合は、その後の市場の鎮静化を予測して逆張りを狙うことが有効です。
テクニカル指標を組み合わせるメリット
テクニカル指標を組み合わせることのメリットは、1つの指標から分析をする場合に比べてだましに強いことと予測の精度が高まることが挙げられます。
ここからは、1つずつメリットの解説をしていきます。
だましに強い
市場価格はプロの投資家でも予想もつかない方向に進むことがあります。ましてやスキャルピングのように、短期間の値動きを正確に読むことはなおさら難しくなります。
一方で、テクニカル指標は過去の一定期間での価格推移の傾向を示しています。結果として、テクニカル指標がうまく作用しない「だまし」が発生してしまうのです。2つ以上のテクニカル指標を参考にすることで、市場のトレンドを正確につかみ、だましの回避の可能性が高まります。
予測の精度が高まる
テクニカル指標を将来の価格予測の材料として使用する場合、1つのテクニカル指標のみを参考にして取引を行うと、過去のデータから算出した傾向が市場の動きに大きく外れる可能性があります。
一方で、2つ以上のテクニカル指標を参考にすることで、トレンドの強さや期間の長さを正確に予測することができる確率が高まります。
テクニカル指標を組み合わせるデメリット
スキャルピングにおいて、複数のテクニカル指標を組み合わせることのメリットは大きいです。一方で、1つの取引の判断材料に4つ以上のテクニカル指標を使用する場合には、時間と労力がかかるだけでなく判断基準が複雑化してしまいます。ここからは、1つずつデメリットの解説をしていきます。
時間と労力がかかる
テクニカル指標を4つ以上参考にする場合、1つの取引にかかる時間と労力が大きくなってしまいます。
スキャルピングは、1回の取引で獲得できる利幅が大きくないため、複数回の取引を行うことで利益を積み上げていく投資手法です。テクニカル指標を組み合わせるときに数が多すぎる場合、取引の効率が悪くなってしまうことがあります。
スキャルピングでテクニカル指標を組み合わせて判断材料にするときには、2~3つの指標を参考にするようにしましょう。
取引の基準が複雑化する
スキャルピングで参考にするテクニカル指標が多い場合、指標ごとに基準を設けていたとしても、すべての基準をクリアするほどのトレンドが発見できるケースは少ないでしょう。また、それぞれのテクニカル指標が異なる見解を示しているときに、複雑化した判断基準の中で投資のパフォーマンスを上げることは大変難しくなります。
しかし、どうしてもテクニカル指標を4つ以上参考にしてスキャルピングを行いたいときには、どの指標をどの程度信用するのかをあらかじめ決めておく必要があります。
最適なテクニカル指標の組み合わせで勝率を上げよう
スキャルピングで効果的に使えるテクニカル指標は数多く存在します。また、トレンド系のテクニカル指標とオシレータ系のテクニカル指標を組み合わせることで、スキャルピングの成功率を高めることができます。
しかし、どの指標も適切な期間設定、適切なチャートの時間足、最適な組み合わせが必要不可欠です。それぞれの指標の内容を理解したうえでチャート分析に使用することで、スキャルピングの勝率は上がるでしょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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