株価が上がる月は見つけられるのか?

こんにちは。
株式トレーダーの川合一啓(かわいいっけい)です。

株価が上がる月下がる月という表現を聞いたことがあるでしょう。
代表的な表現では、アノマリーと言われたりします。

戦後の株式市場は毎年、様々な利害を巻き込みながら株価の上下を繰り返してきました。

株式市場はランダムウォーク理論に基づいているので、上がるか下がるかわからないと言ったり、選挙の年は買いだ!と言ったり、様々な都市伝説的な話があります。

本記事では、企業活動が株式市場に与える資金の需給からアノマリーまで解説して、株価が上がる月について考えてみたいと思います。

経済活動の需給により株価が上がる月

上場・非上場にかかわらず、企業活動はお金の動きが発生します

例えば、企業活動の販売や購入に伴うお金の動きは、取引企業の資金を動かし、それにかかわる金融サービス会社にも影響を与えます。

また、ボーナスや新年度などで個人にお金が移動し、購買が発生するイベントも数多く発生します。

そんな実需によるお金の流れは、株式市場での株価の動きにどのように影響するのか、見てみましょう。

まず、日本国内でお買い物需要が高くなる時期を見てみましょう。

代表的なのは新年度年末・年始です。新年度は、企業の決算が閉まり、新しい年度のスタートとなるので活動が活発化します。

また、ボーナス月に当たるので個人の資金も充実します。証券会社は、新年度の資金を集めて株式市場に投入するので、株価は上がりやすくなると言われています。

次にお買い物需要が高くなるのは年末・年始です。12月を師走と呼ぶほど、年末の経済活動が活発化するのは、日本の伝統です。

また、年末に一儲け狙う投資家が活発に資金を動かすのも、大きな影響を与えます。

さらに、日本の株式市場の7割を占める外国人投資家にとっては、12月が一年の締めになるので、成績をよく見せるために、俗にいうドレッシング買いを入れることでも知られています。

これらの要因から、1月、4月、12月は、資金の流れ的にも株価が上がる月と言えます

アノマリーによる株価が上がる月は正しい?

株価の変動にはアノマリーと呼ばれる、確率の高い経験則があると言われています。

1年間の株価の動きで最も有名なのは「5月は株を売って遊びに行き、9月に戻ってこい(Sell in May and go away. But remember come back in September)」です。

元々は米国で語られていて、それが日本に輸入された概念です。

米国は6月から8月に長い夏休みをとる習慣があるので、株式市場も閑散とします。

つまり買い手がいないので、株価が下がりやすいというわけです。

これを日本に当てはめると、夏休みは1週間程度、お盆休みを入れても2週間程度の休みです。あまり当てはまらなそうですが、いくつかの要因が絡み、有名になりました。

一つ目は、海外投資家が減ってしまうので、売買が細るということです。

日本の株式市場の出来高の7割が、外国人投資家によるものです。その外国人投資家が休んでしまうと、株式市場は閑散としてしまい、そのすきを狙って買い上がる人はあまりいません。

だから夏場は株価が上がりにくくなります。

もう一つはゴールデンウイークです。日本固有の長期休暇で、国内勢がいない間に海外で株価が下がると、連休明けにギャップダウンするケースもあります。

ただでさえ警戒心の強い日本人にとって、ゴールデンウイークにポジションを持越すのは勇気がいるのです。

これらの要因もあり、5月に売って9月に市場に戻るというアノマリーは、日本で一定の支持を得ています

厳密には正しいと言えないかもしれませんが、無視できないアノマリーと言えるのは間違いなさそうです。

ビッグデータとAIは信用できるか?

年間の株価の動きについて、需給とアノマリーから考察してきました。

どちらも、もっともらしい裏付けがあると言えそうですが、実際の投資判断で使えるでしょうか?

実際2018年の年末は、多くの投資家が株価上昇を信じたにもかかわらず、暴落と言えるほどの株価下落をしました。

理由は様々に語られていますが、はっきり言えることは、通常の資金の流れを逆流させるほどの、大きな資金が抜けていったということです。

結果として株価は下げ、退場を余儀なくされた投資家もいたようです。

少なくとも、1年間の株価の動きをいくら分析したところで、確実に株価が上がる月を見つけ出すことは難しいでしょう

実際、国内選挙や米国大統領選挙、戦争などにより、予期しない株価の変動が起こります。

唯一言えることは、それらのイベントと株価のデータは、ビッグデータとして世の中に蓄積されているということです。

これらのデータを精査し、投資判断に使えるようにするのは、どんなに優秀な人でも難しいでしょう。

これからは、株価が上がる月を探すより、ビッグデータを的確に分析し、投資判断のヒントを与えてくれるAIなどの新技術が、重要になりそうです

高確率の正解には不十分

株価が上がる月を見つけるために、需給やアノマリーについて考察しました。

ある程度正しいと言えるものの、投資判断に高確率の正解を与えるには不十分なようです。

このある程度正しい部分を、より正確に伝えてくれる、AIによる投資判断の活用に注目したいと思います。

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