株式投資のリスクヘッジとは?ヘッジ方法を解説

リスクヘッジとは英語で”risk hedge”であり、直訳すると「損失回避」「危機回避」という意味です。

今後発生する可能性があるリスクを事前に想定し、回避するという意味であり、ビジネスシーンや企業活動、日常生活で幅広く使用されています。

金融取引でも投資や資産運用において起こりうるリスクを抑制するという意味で使われます。

この記事では株式投資におけるリスクヘッジの意味や具体的案、リスクヘッジ方法について解説します。上手にリスクヘッジをして、投資で利益を上げましょう。

株のリスクヘッジとは

株式投資におけるリスクヘッジとは株式相場の変動によって、資産価値が下落する局面において損失を最小限に抑える対策をとることです。

リスクヘッジをしないと損失だけが拡大し、投資資金を失って株式投資から撤退する可能性もありますが、正しくリスクヘッジを行うことで相場の下落局面でも資産を防衛し、着実に資産を増やすことが可能です。

リスクヘッジを行う理由

リスクヘッジは想定されるリスクを回避する行為ですが、株式投資においてリスクヘッジを行う理由はどこにあるのでしょうか?

一般的にリスクヘッジが必要になる理由は以下のとおりです。

  • 株式相場の暴落に備える
  • 損失額を最小限にする

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

株式相場の暴落に備える

2020年は株式相場が大混乱した一年でした。新型コロナウイルスの感染拡大によって、株式層が急激に下落し、「コロナショック」と呼ばれました。

それまではアベノミクスの影響で日経平均株価は順調に上昇し、バブル期に更新した最高値を更新するのではないかと言われていましたが、コロナショックで一気に暴落しました。

株式相場のさらなる上昇を期待していた投資家の多くが狼狽しました。

実はコロナショック以前に遡るとこのような株式相場の暴落は数十年ごとに発生しています。

例えば、1929年のウォール街の大暴落、1987年のNYダウのブラックマンデー、日本のバブル崩壊と日経平均株価の暴落、1990年代のITバブル崩壊、2008年のリーマンショックなど相場の大幅な下落は株式投資に付き物です。

また、これらの株式相場全体の暴落とは別に個々の株式が企業業績やスキャンダルなどによって大暴落することは多々あります。

暴落局面では精神的なストレスがかかりますので、事前に相場の下落に対して対策をしておく必要があります。

暴落が必ず起こると想定しておき、暴落が起こっても資産価値が下落しないようにリスクヘッジをしましょう。

損失額を最小限にする

株式投資をしていると株式相場全体が好調であっても損失を出してしまうことはあります。

長期投資の場合は損失を出しても、ポジションを保有し続けることで利益を出ることも珍しくありませんが、短期投資の場合は日常的に損失が発生します。

株式投資にはある程度まとまった資金が必要ですので、順調に利益を獲得するためには損失額を最小限に抑制することが大切です。

損失額を最小限に抑制コントロールすることによって資産価値を一定上に保ち、次の投資チャンスを確実に掴むことができます。

損失額を最小限にするためにもリスクヘッジを行いましょう。

株のリスクヘッジ方法

株式相場が下落基調にあるときでも損失を回避する方法はいくつかあります。

ここからは株のリスクヘッジ方法として使える方法をご紹介します。一般的な株のリスクヘッジ方法は以下の通りです。

  • 先物取引
  • 損切り
  • 空売り
  • 分散投資

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

先物取引

先物取引とは将来の決められた日に現在取り決めた価格や条件で株式を売買することを約束する取引です。

期日が来たときに株式相場上昇していても、下落していても取り決めた時点での価格で売買を行うことができます。将来の決められた日に反対売買をすれば、差金の授受によって決済することもできます。

個人投資家だけではなく、生命保険会社や証券会社など機関投資家でも株式の価格変動リスクのヘッジ手段として利用されています。

先物取引を利用したリスクヘッジ手法には「売りヘッジ」と「買いヘッジ」があります。

「売りヘッジ」とは現在保有している銘柄の下落が予想される場合に現物株を売却せずに同量の先物の売り注文を出して、実際に株式相場が下落したときに安く買い戻せば現物取引で生じた評価損を先物の利益でカバーできます。

「買いヘッジ」とは現在保有している現物株の上昇が予想される場合で現在株式を購入する資金はないものの将来的に購入資金を調達することができる見込みがある場合に先物の買い注文を出すことによって、実際に株式相場が上昇すると高く売ることで利益を得ることができます。

先物取引のメリット

「売りヘッジ」「買いヘッジ」によって現物取引の損失をカバーできる先物取引はリスクヘッジ手段として多くの投資家が利用しています。

先物取引の具体的なメリットは以下の通りです。

  • 「買い」と「売り」どちらからでも始められる
  • 少ない金額で大きな額の投資ができる

それぞれについて具体的に見ていきましょう。

「買い」と「売り」どちらからでも始められる

現物取引では株式を底値で買って、高値で売ることしかできませんが、先物取引では株価が上昇すると予想した場合には「買い」、下落すると予想した場合には「売り」から取引をスタートさせることができます。

つまり、現在の株価が下落すると場合でも先物取引では利益の獲得が狙えます。

少ない金額で大きな額の投資ができる

先物取引はFXなどと同様にレバレッジをかけて取引をすることが可能です。

現在取引では10万円分の株式を購入する場合は手持ち資金として10万円が必要です。

しかし、先物取引では証券会社に担保として証拠金を差し入れれば、レバレッジをかけて証拠金以上の取引ができます。

例えば、日経225先物取引は日経平均株価の1,000倍、日経225ミニ取引は日経平均株価の100倍、マザーズ先物は東証マザーズ指数の1,000倍の値段の取引を少額の証拠金で行うことができます。

したがって、現在の手元の資金が少額でも大きな額の投資をして、大きな利益を狙うことができます。

先物取引のデメリット

リスクヘッジ手段として有効な先物取引にもリスクは存在します。具体的なデメリットやリスクは以下の通りです。

  • 取引期間が決まっている
  • 大きな損失を出す可能性がある

それぞれについて具体的に見ていきましょう。

取引期間が決まっている

現物取引はポジションの保有の期間に制限はありません。しかし、先物取引では取引できる期間に制限があります。

期間内であれば、いつでも取引可能ですが、期限内に決済しなかった場合は強制的に決済されるので、限られた期間内で勝負をかける必要があります。

大きな損失を出す可能性がある

先物取引はレバレッジをかけて取引をすることができます。したがって、少ない証拠金をもとに大儲けをすることができます。

しかし、ギャンブル性も高く、手持ち資金以上の損失が生じる可能性があります。

損切り

損切りはリスクヘッジの有効な手段です。

損切りはロスカットとも呼ばれ、保有している株価が下落して含み損を抱えている状態で株式を売却して損失を確定する行為です。

例えば、1株1000円の株式を100株購入したとします。

当初は株価は上昇すると予想したもののテクニカル分析によって株価が今度は下落しそうだとわかります。

購入した株式の株価が下落して、1株900円となった場合に株価を売却します。すると損失額は(1000円-900円)×100株=10,000円で確定します。

しかし、損切りをせずに株価がさらに下落した場合は損失が次第に膨らんでいきます。

このように900円で決済することによってそれ以上損失が膨らまないようにすることができます。

損切りは損失を確定させる行為ですので、一見すると損をしているように感じるかもしれません。

しかし、損切りをせずに放置した場合は1株800円、700円、600円と損失が拡大したと予想できるので、損失分を得したと見ることもできます。

損切りを行う際には事前に損切りラインを決めておきます。

損切りの目安は銘柄や投資スタイル、景気動向によって異なりますが、一度決めた損切りは固守して設定価格まで株価が下落したら自動的に損切りを行うことで資産価値の下落を防ぐことができます。

自分で損失を確定させる自信がない場合は逆指値注文を出して、設定価格まで株価が下落したら、システム的に損切りを行うようにしましょう。

損切りのメリット

損切りは損失を確定させる行為ですので、ネガティブなイメージがあるかもしれませんが、リスクヘッジ手段として最も基本的です。

損切りの最も大きなメリットは「損失の拡大を防止できる」ことです。

損切りにより損失を最小限に抑えることができます。

株式投資では「買うよりも売るほうが難しい」と言われています。

株価の下落局面では「いつか株価が回復するだろう」「損失を確定させたくない」という投資家の心理が働きます。

しかし、株価の下落基調が続くと損失はずるずると拡大していきます。

このような事態を防ぐために損切りのラインを設定して、損失を確定させることが重要です。

損切りのデメリット

一方で損切りのデメリットは「株価が回復した場合に利益を逃す」ことです。

損切りは株価の下落基調が続くと判断して、損失を確定させます。

しかし、損切りをした銘柄がその後で回復した場合は利益を逃すことになります。

投資家心理としては「もったいない判断をした」と思うことでしょう。

空売り

空売りも有効なリスクヘッジ手段です。

通常の現物取引では底値で株式を購入して、高値で株式を売却します。しかし、空売りでは手元に株式を保有していなくても「売り」から取引に入ることができます。

空売りとは証券会社から株式を借りてきて、市場で売却します。そして、決済期日までに株式を買い戻して証券会社に返却します。

株価が下落すると予想した場合に現物取引では損失が発生する前に株式を売却するか投資行為自体を見送るしかありません。

しかし、空売りを活用すれば、予想通りに株価が下落した場合に株式を買い戻して差額を利益とすることできます。

現物取引では損失が出ますが、同時に空売りをすることによって損失をヘッジできます。

空売りのメリット

空売りのメリットについて見ていきましょう。

空売りの最大のメリットは「株価の下落局面で利益を狙える」ことです。

現物取引の場合は買い注文から入るので、相場が下落する局面では利益が望めません。

しかし、空売りでは下落局面でも積極的に投資を行って利益を得ることができます。

空売りのデメリット

リスクヘッジ手段として多用される空売りですが、リスクやデメリットがないわけではありません。

空売りのデメリットは「株価の上昇による損失」です。

空売りは株価が下落すると予想した場合に活用できる手法です。

しかし、相場が予想に反して上昇したケースでは上昇した分だけ損失が発生します。

株価はどんなに下がっても0円以上は下がらないので、損失は限定されます。

しかし、空売りの場合は株価の高値には制限がないので理論上無制限に損失が広がります。

分散投資

株式投資の世界ではイギリスの有名な格言として「卵は一つの籠に盛るな」というものが存在します。

すべての卵を一つの籠に盛ると、もしなにかの拍子にその籠を落としたときにすべての卵がダメになります。

しかし、卵をいくつかの籠に分けて持っておけば、一つの籠を落として卵が割れても、残りの籠の卵は無事です。

これを株式投資に当てはめると投資する対象を特定の銘柄や資産に集中せずに複数に分けることで仮にそのうちの1つの価値が下落しても他の金融商品は無事です。

結果としてトータルでのリスクを低減することができます。

例えば、ある業界の1社だけに集中投資した場合はその銘柄の株価が下落すると大きな損失を出しますが、複数の企業に分散して投資するとどれか1社の株価が下落しても損失をカバーできます。

また、銘柄だけではなく、投資先の資産も分散することでリスクヘッジの効果が高まります。

例えば、株式投資を始める際に株式だけではなく、債券やコモディティ投資、不動産REITなどに分散投資をして、ポートフォリオを組むことでリスクが分散します。

株式と債券は一般的に逆の動きをすると言われており、景気の拡大期には株価が上昇し、債券の価値は下落します。逆に不況の時期には株価が下落し、債券の価値は上昇します。

したがって、株式と債券に同時に投資することによって、お互いの損失を他方の利益がカバーすることができます。

まとめ

株式投資においてリスクヘッジをすることで投資に不利な局面で資産を防衛しつつ、確実に資産を増やすことができます。

株式投資のリスクヘッジ方法には先物取引、損切り、空売り、分散投資があります。これらはそれぞれメリット・デメリットがあるので、単一ではなく複数を組み合わせることでより効果的にリスクヘッジをすることが可能です。

リスクヘッジをすることで安心して、株式投資を楽しみましょう。

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本日もお読みくださりありがとうございました。

次回もあなたのトレードに役立つ情報をお伝えしますので
どうぞ楽しみになさっていてください。

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