株の空売り時には手数料がかかります。
手数料について詳しく知っておかないと無駄な費用が積み重なり、手数料負けになる可能性もあるので要注意です。
そこでこの記事では、株の空売り手数料の計算方法や軽減対策などをお伝えしていきます。
目次
株の空売り手数料と計算方法
株の空売り手数料は次の2つです。
- 新規売りの手数料
- 決済買いの手数料
よって、手数料の計算方法は「新規売りの手数料+決済買いの手数料」です。
例えば、新規売りの手数料と決済買いの手数料が「100円」なら、
100円+100円=200円
となり往復で200円の手数料がかかります。
株の空売り手数料はこのように計算します。
株の空売り手数料を抑えるための3つの対策
株の空売り手数料を抑えるための対策は次の3つです。
- 手数料の安い会社を選ぶ
- 定額プランで手数料を軽減する
- トレード回数を減らす
手数料の安い会社を選ぶ
株の空売り手数料は証券会社によって異なるため、手数料の安い会社を選ぶことで抑えることができます。
例えば、以下の3社で比較してみましょう。
1日の約定代金の合計 | DMM株 | 楽天証券 | 松井証券 |
---|---|---|---|
50万円まで | 88円 | 99円~198円 | 0円 |
100万円まで | 88円 | 385円 | 1,100円 無料(25歳以下) |
200万円まで | 88円 | 385円 | 2,200円 無料(25歳以下) |
各社によって随分違いがあるのが分かるかと思います。
1日の約定代金の合計によっても違ってくるため、ご自身がどのくらい取引するかでも最適な証券会社は違います。
例えば、50万円までしか取引しないのであれば、無料にできる松井証券が一番おすすめです。
しかし、50万円以上の取引をするのであり、26歳以上の場合はDMM株が最も手数料を抑えることができます。
このように各社の手数料は異なるため、ご自身の取引スタイルにマッチしたもの中から安いものを選ぶのがおすすめです。
定額プランで手数料を軽減する
証券会社によっては手数料の「定額プラン」を提供していることもあるため、それを利用する手もあります。
例えば、楽天証券では「いちにち定額コース」を提供しています。
1日の取引金額 | 手数料 |
---|---|
~100万円 | 無料 |
100万円超~200万円 | 2,200円 |
200万円超~300万円以下 | 3,300円 |
以降、100万円増えるごとに | 1,100円を追加 |
楽天証券の「いちにち定額コース」なら、1日の取引金額が100万円以内なら何度取引しても手数料は無料です。
その他、松井証券の「1日信用取引」というプランあります。
手数料(デイトレード時) | 0円 |
金利・貸株料(デイトレード時) | 0% |
1日信用取引はデイトレード専門のプランで保有した銘柄を当日中に決済すれば、手数量と金利・貸株料は一切発生しないというものです。
こうした定額プランを利用することで手数料を軽減することができます。
トレード回数を減らす
シンプルにトレード回数を減らすことも効果的です。
手数料は売買するたびに発生するため、無駄なトレードをしないことも重要だからです。
トレードするポイントを厳選して、本当に仕掛ける場面のみで売買するようにしましょう。それ以外では決して手を出してはいけません。
そのためには事前に売買する条件を決めておき、その条件が整うまで忍耐強く待つ必要があります。
株の空売りは手数料以外のコストにも注意!
株の空売りは手数料以外のコストも発生します。
発生するコストはおもに次の2つです。
- 貸株料(かしかぶりょう)
- 逆日歩(ぎゃくひぶ)
貸株料
貸株料とは、投資家が証券会社から株を借りるために発生するコストです。
空売りは証券会社から株を借りる売買方法です。そのため、証券会社は投資家に貸し賃を徴収します。これが貸株料です。
つまり、貸株料はレンタル料のようなものと思ってください。
貸株料は保有日数によってかかります。
計算方法は「約定代金×貸株料利率÷365×保有日数」です。
約定代金 | 100万円 |
貸株料利率 | 年1.4% |
保有日数 | 80日 |
上記のケースなら以下のように計算します。
100万円×1.4%÷365×80日=3,068円
このケースだと貸株料は3,068円です。
貸株料への対策
貸株料への対策は次の2つ。
- 保有日数を短くする
- 貸株料利率の低い証券会社を選ぶ
貸株料は保有日数にかかるため、保有日数を短くすれば軽減することができます。
貸株料利率は証券会社によって異なります。
証券会社 | 貸株料利率 |
---|---|
楽天証券 | 年1.10% |
DMM株 | 年1.10% |
松井証券 | 年1.15% |
auカブコム証券 | 年1.15% |
岡三オンライン | 年2.00% |
そのため、貸株料利率が低い証券会社を選ぶことで貸株料を抑えることが可能です。
逆日歩
逆日歩とは、証券会社に株不足が発生して他所から借りてきたときに発生するコストです。
空売りは証券会社から株を借りる取引方法ですが、証券会社が貸し出せる株数には上限があります。
株が不足すると証券会社は他所から借り、それにはコストが発生します。そのコストは投資家が負担しないといけないのです。これが逆日歩です。
逆日歩の計算方法は「1株あたりの逆日歩×保有株数×建玉の保有日数」。
1株あたりの逆日歩 | 2銭 |
保有株数 | 3,000株 |
建玉の保有日数 | 10日 |
上記のケースだと以下のように計算します。
0.2銭×3,000株×10日=6,000円
このケースでは6,000円の逆日歩を支払わないといけません。
逆日歩への対策
逆日歩への対策は以下の2つ。
- 一般信用取引で空売りする
- 信用倍率が1倍を割っている銘柄や注意喚起銘柄は避ける
最も効果的なのは「一般信用取引」です。
空売りには「制度信用取引」と「一般信用取引」があります。この内、逆日歩が発生するのは制度信用取引のみです。
一般信用取引は逆日歩の対象外です。そのため、一般信用取引であれば逆日歩を回避できます。
信用倍率が1倍を割っている銘柄や注意喚起銘柄は避けたほう良いです。
これらの銘柄は信用売りが増加しいて株不足になる恐れがあり、逆日歩が発生する可能性があるからです。
信用倍率が1倍を割っている銘柄や注意喚起銘柄は、証券会社のツールやヤフーファイナンスなどで確認できるため、取引前にチェックしておきましょう。
株の空売りは「配当金調整金」もコストになる
株の空売りは「配当金調整金」もコストになるので要注意です。
配当金調整金とは、信用取引をしている銘柄に配当金が発生したとき、その配当相当額を調整するために支払われるものです。
配当金は現物取引のみに適用されるものとなるため、信用取引では得られません。そのため、配当金調整金によって配当相当額を調整するのです。
ただし、配当金調整金を受け取れるのは信用買いをしている人のみです。
空売り(信用売り)している人は支払をする必要があります。
そのため、空売りしている人は配当金調整金がコストになるのです。
配当金調整金が発生する例
配当金調整金がコストとして発生するのは、「権利付最終日」を跨いで空売りしていた場合です。
権利付最終日とは、配当金や株主優待を受取れる権利を獲得できる最終日を指します。
例えば、権利付最終日は7日であれば、7日の株式市場の終了まで空売りしている銘柄を保有していると配当金調整金がコストとして発生します。
配当金調整金の支払額
配当金調整金の支払額は以下のとおりです。
信用取引の種類 | 配当金調整金の支払額 |
---|---|
制度信用取引 | 配当金×84.685% |
一般信用取引 | 配当金の100% |
制度信用取引の場合は「配当金×84.685%」です。
配当金が3,000円なら、「3,000円×84.685%=2,540円」と計算します。
一般信用取引は配当金の100%なため、配当金が3,000円なら3,000円を支払います。
配当金調整金を防ぐには
配当金調整金を防ぐには、権利付最終日までに空売りしている銘柄を決済してしまうことです。
配当金調整金が発生するのは権利付最終日を跨いだ銘柄のみであるため、権利付最終日までに決済すれば発生しません。
まとめ
株の空売りに必要な手数料は次の2つです。
- 新規売りの手数料
- 決済買いの手数料
計算方法は「新規売りの手数料+決済買いの手数料」です。
手数料を抑えるには次の3つが有効なため、ぜひ実行してください。
- 手数料の安い会社を選ぶ
- 定額プランで手数料を軽減する
- トレード回数を減らす
なお、株の空売り時には手数料以外には以下のようなコストがあるため、注意しておきましょう。
- 貸株料
- 逆日歩
- 配当金調整金
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