こんにちは。
株式トレーダーの川合一啓(かわいいっけい)です。
ロスカットは、株式投資をする方が、必ず一度は悩むものです。
お金儲けをするつもりで株式投資を始めたのに、
みるみる資産が減っていく経験をした人は多いと思います。
本記事では、ロスカットの必要性からルール化する理由、
そしてロスカットルールの考え方について解説していきます。
目次
ロスカットとは?
![](https://i0.wp.com/traderkawai.com/wp-content/uploads/2020/02/losscut-1.jpg?resize=728%2C485&ssl=1)
ロスカットについて、しっかり考えたことはあるでしょうか?
株式投資を始める動機は、ほぼ間違いなく資産を増やすことです。
当然、保有した株式がすべて上昇すればロスカットは必要ありません。
しかし、残念ながら保有株が値下がりすれば大事な資産が減ってしまうので、
どこかで手放すことを考えなければなりません。
それがロスカットです。
中には上がるまで何十年でも保有を続けるから、
ロスカットなど必要ないという人もいるでしょう。
しかし、これを実行できる方は、保有株式の価値がゼロ、
つまり倒産しても構わない方のみです。
この考え方は、例えば10銘柄保有して9銘柄が倒産しても
残りの1銘柄が資産を増やしてくれるというスタンスを
取れる方のみに当てはまります。
例えば、株式公開時のソニー株を、
当時の投資資金の1/10保有していれば成り立ちます。
しかし実際は、短期間で儲けたい、
保有株が含み損でもすこしでもお金を取り戻したい、
と思ってしまうのが人情です。
ましてや、日本の株式市場は30年以上下落を続けてきました。
全体が下げている中で、
宝くじのような大幅上昇株を保有し続けるのは難しいでしょう。
だからロスカットを考える必要があるのです。
ロスカットをルール化する理由
![](https://i0.wp.com/traderkawai.com/wp-content/uploads/2020/02/losscut-2.jpg?resize=728%2C419&ssl=1)
ロスカットが資産を守るための行為だということは、
ご理解いただけたと思います。
では、なぜルールにしなければならないのでしょうか?
資産を守るためにあなたはどういった行動をとっているか、
思い起こしてみてください。
A銘柄が含み益で、B銘柄が含み益の場合、
多くの方は利益を確定したいと考えるでしょう。
仮にトータルで資産が増えていても、
すでに上昇しているA銘柄は含み益があるうちに
利益を確定したいと考えます。
一方で、含み損のB銘柄は、
もう下げきったから上がり始めるだろうと思いたくなり、
保有を続けます。
この考え方を実行し続けると、
最終的には資産を減らす可能性が高くなります。
なぜなら、株価が上昇している事実を切って、
下落している事実を継続しているからです。
最初に紹介したように、銘柄A,Bを両方とも持ち続けるなら、
資産を増やせる可能性が増えます。
しかし、利益を確定したい気持ちに勝てない場合がほとんどです。
こういった事実を考えると、
最低限損失の確定をルール化することで、
資産の減少を抑える効果が見込めるようになります。
簡単にいうと、感情的には損失を確定する
ロスカットはやりたくないのです。
株を買うときは値上がり期待で買うので、
逆に下げた事実を受け入れたくなくなります。
感情では、ロスカットの方が、
利益確定よりはるかに難しいのです。
だから株を購入する前にロスカットのルールを決めて、
実行する必要があります。
できれば、オンライン証券などで逆指値注文を入れておきましょう。
目を離していても自動でロスカットしてくれるので、
あなたの資産を守ってくれるでしょう。
ロスカットルールを決める基準は?
![](https://i0.wp.com/traderkawai.com/wp-content/uploads/2020/02/losscut-3.jpg?resize=728%2C485&ssl=1)
株式投資初心者に向けてロスカットルールを紹介するとき、
よくあるのが買った価格から何%下げたらロスカットしましょう、
というものです。
これは上級者があらゆる要素を加味したうえで決めているのなら良いのですが、
何も考えずに行うと、あっという間に資産を失います。
ここではロスカットルールの決め方として3点に注目して紹介します。
ロスカットルールの決め方1
一つ目は資産管理です。
何度も言うように自分の資産を増やすために株式を購入するのですから、
株を買う前にいくらまで増やしたいなど、目標があると思います。
この目標を達成するために株を買うのですから、
ロスカットはその目標からいくらまで資産が減っても許容できるか?
とリスクを考えて決めるべきです。
この発想からスタートして、1銘柄で何%まで損失を出せるか?
と決めれば、大本の投資資金を守れます。
ロスカットルールの決め方2
二つ目は株式を保有する前に決めるシナリオです。
買う前に、こういう理由でここまで上がるはずだ、と考えると思います。
その理由の部分がシナリオと言えます。
これはファンダメンタルズ分析をもとに決めた物語的なものから、
テクニカル分析で決めた判断基準まで含みます。
買う前に考えたシナリオが破たんしたとき、
その株式の保有を諦めるということがロスカットルールになります。
ロスカットルールの決め方3
三つ目は株価と株数です。
一つ目で考えた1銘柄で許容できる損失から、
保有する株の損失許容額を決めます。
そしてシナリオに沿って、株価と株数を決めれば、
取り返しのつかない損失を出さずに、
資産を増やすことができるでしょう。
以上の3点を考えたうえで、
この銘柄は何%下がったらロスカットするというルールにすれば、
統計的期待値がプラスになるロスカットルールができるはずです。
まとめ
株式投資で避けることのできない、
ロスカットルールの決め方について解説しました。
資産を増やすために始めた株式投資で、
ロスカットをするということは、
自分の間違いを認めるようでつらいものです。
しかし。
リスクを取って資産を増やすことを選択したあなたには、
欠かすことのできないルールなので、
しっかり考えて取り組んでいきましょう。
ロスカットルールの分かりやすい説明をありがとうございました。