ストップ高には「値幅拡大」というルールがあります。
正式名称は「制限値幅の拡大」と言います。
制限値幅の拡大は非常に重要なルールであるため、株式投資をするのであれば必ず理解しておくべきものです。
そこでこの記事では、制限値幅の拡大について分かりやすく解説していきます。
当記事ひとつで制限値幅の拡大のルールや期間、注意点まで理解することが可能であるため、ぜひ参考にしてください。
目次
そもそもストップ高とは?
はじめにストップ高についてしっかり理解しておきましょう。
ストップ高とは、1日の株価の上昇幅を制限する制度です。1日の株価が動ける幅には制限がありこれを「制限値幅」と呼びます。
例えば、「基準価格(通常前日の終値)」が1,000円未満までのケースなら以下のとおりです。
基準価格 | 制限値幅 |
---|---|
100円未満 | 上下30円 |
200円未満 | 上下50円 |
500円未満 | 上下80円 |
700円未満 | 上下100円 |
1,000円未満 | 上下150円 |
基準価格が80円であれば100円未満のケースに当てはまるため制限値幅は30円となり、110円まで上昇するとストップ高となります。
基準価格が400円なら500円未満のケースが当てはまるため制限値幅は80円となり、480円まで上昇するとストップ高です。
ちなみに逆のケースではストップ安です。
基準価格が90円なら30円下落して株価が60円になるとストップ安になります。
株式市場にストップ高とストップ安がある理由は、急激な株価変動による市場混乱を防止するためです。
1日で株価が大きく動くと市場が混乱して、投資家や企業に大きな損害を出す可能性があります。そうした事態を防ぐためにストップ高とストップ安があるのです。
ストップ高の値幅拡大とはどんな状態を指すのか?
ストップ高の値幅拡大とは、制限値幅が拡大することを指します。
制限値幅の拡大が起こるのは、2営業日連続で以下の条件に当てはまったときです。
- ストップ高(安)となり、かつ、ストップ配分も行われず売買高が0株
- 売買高が0株のまま午後立会終了を迎え、午後立会終了時に限りストップ高(安)で売買が成立し、かつ、ストップ高(安)に買(売)呼値の残数あり
出典:東京証券取引所
上記を簡単に解説すると、2営業日連続で取引が成立しなかった(出来高ゼロ)となります。よって、制限値幅の拡大が起こるのは3営業日目です。
制限値幅の拡大幅は4倍です。
例えば、基準価格が200円未満の制限値幅は50円ですが拡大すると4倍の200円になります。よって、基準価格150円なら通常200円までしか上昇できないところ、350円まで上昇可能です。
ストップ安のケースでも同様です。
仮に基準価格が750円の場合、制限値幅は100円であるため4倍の400円となり、350円まで下落可能となります。
なお、ストップ高で拡大される制限値幅は上限のみ、ストップ安で拡大される制限値幅は下限のみと覚えておいてください。
ストップ高の値幅拡大の期間はいつまで?
ストップ高の値幅拡大の期間は、拡大した制限値幅以外の株価で売買が成立するまでです。
例えば、基準価格800円の銘柄で100円→400円とストップ高の値幅拡大が起き、株価が1,200円まで上昇したとします。
この場合、1,200円以外で売買が成立すればストップ高の値幅拡大の解除条件をクリアしたこととなり、翌営業日より通常の制限値幅に戻ります。(上記のケースだと通常の制限値幅は100円)
仮に3日にストップ高の値幅拡大の解除条件クリアしたのであれば、翌営業日の4日に通常の制限値幅に戻るのです。
ストップ高の値幅拡大が起きたらココに注意!
ストップ高の値幅拡大が起きると前日の株価と大きく離れた株価で約定してしまうことあるため、空売りをしているときは要注意です。
値幅拡大が起きると制限値幅が4倍に広がるため、通常よりも株価が大きく上昇してしまう可能性があるのです。
そのため、空売りをしていると大きな損を出す可能性があります。
例えば、以下のケースで確認してみましょう。
- 基準価格:900円
- 制限値幅:100円
上記の場合、通常の制限値幅は100円であるため株価の上昇は1,000円までです。
しかし、値幅拡大が起きると制限値幅が4倍の400円となり、1,300円まで上昇することが可能です。
株価が上昇できる幅が大きくなった分だけ損失額も大きくなる可能性があります。そのため、ストップ高になった銘柄を空売りしているときは注意しておかないといけません。
まとめ
ストップ高の値幅拡大は制限値幅が拡大して4倍になることを指します。
拡大するのは2営業日連続で取引が成立しなかったときで、拡大が適用になるのはその翌日です。
制限値幅の拡大が解除されるのは、拡大した制限値幅よりも下の株価で注文が成立したときです。
ストップ高の値幅拡大を起きると制限値幅が通常の4倍になるため、株価が普段よりも大大きく上昇できるようになります。前日の株価とはかけ離れた株価で売買が成立することもあるため、空売りしているときは気をつけてください。
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