株の空売りでロスカットは非常に重要です。
しかし、初心者ですと「ロスカット基準が分からない」と困ってしまう人も多いようです。
そこでこの記事では株の空売りでロスカットはどこですべきか具体的に解説しています。
お読み頂ければ、失敗しない撤退の仕方が分かります。
また、注意点などもお伝えしていますので空売りの知識を高めることも可能です。
目次
株の空売りのロスカットをするポイント
株の空売りのロスカットをするポイントは「ポジションを保有した根拠が無くなるところ」です。
具体的に言うと以下の3つになります。
- 直近高値の上
- 水平線やトレンドラインの上
- インジゲーターのサインがダマシだったとき
上記の3つはポジションを保有した根拠が無くなるポイントであるため、そこまで株価がいくなどの条件を満たしたら損切りするべきです。詳しくは次章をご確認ください。
直近高値の上
直近高値の上でロスカットすべきなのは以下のように「戻り売り」でエントリーした場合です。
戻り売りでは一時的な調整である上昇からの下落を狙います。
以下のような波を予想してエントリーするのです。
もし株価が直近高値の上に行ってしまうと戻り売りという根拠が無くなります。
そのため、直近高値の上で損切りすべきなのです。
また、戻り売りでない場合でも株価が直近高値を超えたら損切りしたほうが良いかと思います。ブレイクアウトの状態であり、株価が大きく上昇してしまうことがあるからです。
水平線やトレンドラインの上
水平線やトレンドラインでの反発を根拠にトレードした際はラインの上でロスカットします。
株価が水平線やトレンドラインの上に行ってしまうと、ラインでの反発というポジションを保有した根拠が崩れてしまいます。よって、ロスカットすべきなのです。
また、水平線やトレンドラインの反発狙いでない場合でもロスカットすべきでしょう。
株価が水平線やトレンドラインの上に行くのはブレイクアウトであるため、そのあと大きく上昇してしまう恐れがあるからです。
インジゲーターのサインがダマシだったとき
インジゲーターのサインがダマシだったときもロスカットの目安です。
ダマシが発生するとポジションを保有する理由が無いからです。
例えば、「移動平均線」での反発を期待してエントリーしたとしましょう。
しかし、以下のように株価が下降する前に移動平均線を超えてしまったらロスカットです。
上記の場合、もうポジションを保有する理由がありません。さっさと見切りをつけてロスカットし、新しいチャンスに備えたほうずっと効率的です。
長期投資の場合は期日で決める方法もある
スイングトレードのような長期投資の場合は期日でロスカットするという手もあります。
空売りは返済期限があるからです。
空売りは証券会社から株を借りている状態であり、期限内に決済して返却しないといけません。返済期限は「制度信用取引」で原則6ヶ月、「一般信用取引」で原則3年です。
また空売りの場合、「貸株料」や「逆日歩」という保有しているだけで発生する手数料的なものもあります。(貸株料と逆日歩については後述しています)
そのため、「売ってから3ヶ月経ったら何があっても決済する」というように期限を決めてロスカットするという手も有効なのです。
株の空売りでロスカットが絶対必要な理由
株の空売りではロスカットが絶対必要と言われます。
それは空売りの場合、損失に限度が無いからです。
買いの場合ですと株価が0円になればそれ以上の損失はありません。
しかし空売りは株価に天井が無いのと同様で損失に限度が無いのです。
株価には天井がないため、20円だった株価が上昇し100円、1,000円、1万円となることだってあります。その分だけ損失も拡大するわけです。
このように、空売りでロスカットしないのは非常に危険であるため、ロスカットが絶対必要と言われるのです。
信用取引の空売りが危険と言われるのはなぜか?
「株の空売りは危険だからやめておけ」と言われることもあります。
その理由は「レバレッジ」があり、現物取引より損失が拡大しやすいからです。
レバレッジとはてこの原理のことであり、保証金を担保に保証金以上の株を保有できる仕組みです。株では保証金の約3.3倍の取引ができます。30万円の保証金を担保するなら、約3.3倍の約100万円の取引が可能ということです。
保証金よりも大きな取引ができる点はメリットなのですがデメリットもあります。
それは損失が大きくなることです。
取引量が増えれば当然、利益だけでなく損失も増えます。
例えば、保有株が株価の1/2上昇した場合、30万円と99万円の取引では損失が以下のように異なります。
取引額 | 損失額 |
---|---|
30万円 | 15万円 |
99万円 | 49.5万円 |
取引額30万円のケースでは損失額が15万円ですが、99万円ですと49.5万円になります。このようにレバレッジを効かせると損失額が増えてしまうのです。そうしたこともあり、空売りをおすすめしない人もいるのです。
空売りで死亡するってどういうこと?回避する3つの方法
「空売りで死亡した」ネット上ではチラホラこうした表現を見かけます。
これはおもに「追証(おいしょう)」状態になったことを指します。
追証とは証券会社が決めた保証金維持率を下回り、追加入金が必要になった状態です。
例えば、「日興イージートレード」では保証金維持率が25%より下回ると追証が発生します。
株価の状態によっては多額の追証が発生してしまうケースもあります。
そうした場合、「相場からの退場=死亡」と称されることもあるのです。
相場から退場にならなくても多額の損が出るケースがあるので追証は絶対避けたいところ。そのためには以下の3つが大事です。
- ロスカットをする
- レバレッジを抑える
- 資金に余裕を持つ
詳細は次章でお伝えしていますのでそちらをご確認ください。
ロスカットをする
先にも言いましたがロスカットを徹底するようにしましょう。
株を保有する前にどういう状況になったらロスカットするかを決めておき、条件を満たしたら何があってもロスカットを実行してください。
ロスカットすればそれ以上の損はありませんので大きな損失を確実に防ぐことが可能です。
レバレッジを抑える
レバレッジを抑えることも大事です。
株の空売りでは約3.3倍のレバレッジが効かせられますが最大にする必要はありません。
レバレッジはおもに取引量でコントロールします。
損失が自分の許容範囲になるレバレッジになるようにコントロールしておくことが大事です。
資金に余裕を持つ
資金に余裕を持っておけば追証になりにくいです。
単純に保証金維持率が高くなるからです。
先に解説したように追証は保証金維持率が各社の定める基準を下回った場合に発生します。そのため、保証金維持率に余裕があれば発生しにくくなるのです。
空売りで長期投資するときは「貸株料」と「逆日歩」に要注意
「空売りで長期投資をしたい!」このような人は「貸株料」と「逆日歩」について知っておく必要があります。
この2つについて知らないと思わぬ費用が発生してしまい、結果的に負けトレードになってしまうことがあるからです。このため、次章で詳細を確認しておいてください。
貸株料とは
貸株料とは空売り(制度信用取引)をするときに発生する手数料です。
レンタル料のようなもので保有日数に応じて発声します。
例えば、「SBIネオトレード証券」ですと約定代金に対して年率1.1%かかります。
計算式は以下のとおり。
貸株料=約定代金×1.1%÷365×保有日数
約定代金が50万円で保有日数が100日ですと次のようになります。
50万円×1.1÷365×100=1.506円
上記の場合は1.506円の貸株料が発生します。
このように空売りの場合は貸株料があると覚えておきましょう。
逆日歩とは
逆日歩とは証券会社が他所から株を借りてきた際に発生するコストです。
空売りは証券会社から株を借りることになりますが貸し出せる株数には限りがあります。証券会社は貸し出せる株が無くなった場合、他所から借りてきますがレンタル料が発生します。このレンタル料は投資家が支払わないといけません。
逆日歩の計算方法は以下のとおりです。
逆日歩=1株あたりの逆日歩×信用売り株数×建玉の保有日数
例えば、1株あたりの逆日歩が0.3円であり、信用売り株数が2,000株で保有日数が5日だと次のようになります。
0.3×2,000×5=3.000
上記の場合、3,000円の逆日歩を支払わないといけません。
なお、1株あたりの逆日歩は日々変動しますので実際の計算はもっと複雑になります。
以上が逆日歩になります。
空売りするときは対象銘柄に逆日歩が発生していないかを必ずチェックしておきましょう。
まとめ
空売りのロスカット基準は「ポジションを保有した根拠が無くなったとき」であり、以下の3つです。
- 株価が直近高値の上に来た
- 株価が水平線やトレンドラインの上に来た
- インジゲーターのサインがダマシだったとき
基本は上記を目安にロスカットしていく良いです。
なお、空売りは損失に上限がないためロスカットしないのは絶対NGです。
また、レバレッジを効かせるため損が拡大しすぎて追証にならないようにも注意しなくてはいけません。
長期投資するときは「貸株料」と「逆日歩」にも気をつけておきましょう。
この2つを気にしておかないと余計な費用が発生してしまいます。
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