株式投資で利益を出すことは簡単なことではありません。しかし、先人の知恵を学ぶことによって利益を出すためのコツや方法論を学ぶことが出来るかもしれません。
もともと世界で最初の株式が発行されたのは1553年のことです。イギリスでロシア会社という合資会社が設立された際に投資家から少額ずつ資金を集めて、大きな投資を可能にする便利な手法として始まりました。
以来、急速に発達し、2019年時点の世界の株式の時価総額は9,000兆円を突破しています。最近ではNISAなどで投資デビューする方が増えています。投資の世界に足を踏み入れることは少し怖いものです。
そんなときに約500年の間に蓄積された投資家の知恵を名言から学んでみましょう。
目次
株の名言14選
数ある株式投資の名言のなかで今回ご紹介したいのが以下の14つの名言です。それぞれの名言に株式投資初心者が学ぶべき教訓が隠されています。
- 「もう」はまだなり、「まだ」はもうなり
- 素人がプロに勝てるのは時間である
- 株を買うな 時を買え
- 知ったらしまい
- 全面高したあとの相場は怖い
- 分からぬときは休め
- 遠くのものは避けよ
- 買うべし、売るべし、休むべし
- 人の行く裏に道あり 花の山
- 買い難い相場は高い
- 天井三日 底百日
- 三割高下に向かえ
- 利食い千人力
- 見切り千両
それではそれぞれの名言について詳しく見ていきましょう。
①「もう」はまだなり、「まだ」はもうなり
この名言は相場は常に変動しており、自分の予想や思った通りにはならないことを意味しています。
後から見れば、相場には最高値や底がありますが、それは確定してからわかることです。
株価が上昇しており、これ以上は「もう」上がらないのではないか?と思っていたら株価がさらに上がることもあります。
反対に株価が下落しており、「まだ」下がりそうだと思っていたらそれが底であることもあります。
まさに「もう」はまだであり、「まだ」はもうなのです。
「もう」上がらないだろう(下がらないだろう)、「まだ」上がるだろう(下がるだろう)と思っているときが一番危険であり、相場が予想と反対に動く可能性があります。
決めつけをせずに落ち着いて客観的に相場を見つめ直しましょう。
②素人がプロに勝てるのは時間である
この名言における「プロ」とは完全歩合制のディーラーや投信の運用マネージャーなど投資を職業としている専門家のことです。
これらのプロは比較的短期間に投資成績をあげる必要があり、じっくりと時間をかけて銘柄を研究するということができません。
しかし、素人であれば、目を付けた銘柄の企業説明会に出席したり、資料やパンフレットを読み込んで企業研究をすることができます。
銘柄の研究に時間をかけて投資をすることによってプロの専門家と同等もしくはそれ以上の投資成績を上げられる可能性があるのです。
投資をこれから始める方や投資を始めて間もない方はじっくりと銘柄の研究をして、短期間で成果を求めるのではなく、時間を掛けて成果を上げることにこだわりましょう。
③株を買うな 時を買え
この名言は株式の売買のタイミングの重要性を説いています。
株=銘柄を選ぶことよりも、時=株式の売買のタイミングにこだわり、見極めることが重要であると言っているのです。
実際に株式市場の動きに注目してみると相場全体が上昇したり、下落することが多々あります。
どの個別銘柄を買ったかよりもいつのタイミングで購入したかが重要であり、タイミングを見極めれば、どの銘柄を購入しても成果を上げることができるとわかります。
また、この名言にはもう一つ意味があり、短期的には今の社会ニーズに合った株式を選び、長期的には社会ニーズにマッチしたテーマ性のある株式を購入する、つまり時流銘柄を購入するべきであるとも言っています。
④知ったらしまい
この名言は取引の潮時を示しています。
たとえそれが銘柄にとって良い材料でも、悪い材料であっても情報が正式に表面化したら材料出尽くしとして、そこで取引をいったん手仕舞いにしたほうがいいという教えです。
例えば、会社四季報の予想で今期の業績予想が好調と掲載されると会社四季報の発売と同時に市場では銘柄の買いが進みます。
しかし、正式な決算の発表で実際に好調であっても材料出尽くしとなります。また、市場でヒットしそうな製品の発売が発表されると同じように買いが進みますが、発表時点で材料出尽くしとなります。
材料が出尽くしとなると、その後の相場は上下しなくなりますので、その時点で取引をいったん手仕舞いにしたほうがいいということです。
⑤全面高したあとの相場は怖い
相場が底入れをして、相場全体が上昇局面に入ってもすべての投資家が相場に強気なわけではありません。
決算予想の内容がよかったり、新しい商品の販売が発表されると特定の銘柄が上昇します。それに続いてそれまで上昇してなかった同業種や似たような銘柄の株価も上昇し、最後には無配株までも買いが入るようになります。
たとえ最初に上昇した銘柄がストップしても他の銘柄は上昇を続けますので、全面高の様相を呈します。
しかし、「山高ければ谷深し」という言葉のとおり相場を調整する材料が尽きることで、相場を支える銘柄が無くなるためその後は激しい下げ相場となります。
全面高の局面ではその後の下げ幅を警戒して慎重な投資姿勢を保たなければ大きな損失となる可能性がありますので、十分に注意しましょう。
⑥分からぬときは休め
株式相場は買ったり、売ったりするだけではなく、ときには休むことも重要であるという名言です。
どんなに銘柄の研究をしていても相場の状況が読めないことはあります。株式相場はその時の政治経済情勢や自然災害、感染症、その他些細な出来事によって変動します。
相場環境が不透明であり、ほとんど値動きがないような状況では買いや売りの判断は難しいものです。特に投資初心者の場合はとりあえず買ってみたり、売ってみたりしたくなるものです。
しかし、そのようなときは下手に考えて、動くのではなく、相場が上がるか下がるのか明確になるまでは一旦休みましょう。
相場が再び動き出したら、売買の判断をして、取引を再開すればいいのです。
⑦遠くのものは避けよ
株式投資をする際には事業内容や業界のトレンドをよく知らない銘柄ではなく、自分がよく知っている銘柄に投資しなさいという名言です。
日本には2021年4月26日時点で3,835社の上場企業が存在します。これだけ多くの上場企業のなかから投資する企業を選別するのは容易なことではありません。
選別の際には「なんとなく」でよく分からない企業に投資するのではなく、自分が仕事や普段生活している上で身近に感じている商品やサービスを提供している馴染みのある企業に投資をしたほうが失敗が少ないということを説いています。
これは投資の神様として知られるウォーレン・バフェットも似たようなことを言っており、彼はテック企業はよくわからないので決して投資しないそうです。
⑧買うべし、売るべし、休むべし
株式投資というと買ったり売ったりを繰り返して、休み無く取引をするというイメージを抱く方もいるかもしれません。
そのためいつ何時でも売買注文を出しており、取引をしないと利益が出ないという考えをもって、売買注文を出している投資家も少なくありません。強引に売買注文を出した結果、大きな損失を出して株式市場から去っていく投資家は跡を絶ちません。
しかし、株式投資の基本は相場環境の動向を見極めて、買い時に買って、売り時に売ることです。
相場環境が不透明で先が見通せない状況では一旦休むことも重要です。株式投資では買う、売ると同様に「休む」が重要であることを肝に命じておきましょう。
ちなみに全く同じ意味の名言に「休むも相場」があります。
⑨人の行く裏に道あり 花の山
この名言を直接的に訳すと多くの人が行かない裏の道を辿っていくと花の山が見える絶好のスポットがあるという意味です。
つまり、人と全く同じ道を辿っていても花の山が見えるスポットにはたどり着けません。
これは株式投資にも当てはまります。大きな利益を出すことが出来るパターンとは誰も注目していてなかった銘柄を購入して、その銘柄が上昇した後に高値で売ったときです。
株式投資で利益を狙うのであれば誰も行かないような裏の道に注目しましょう。
反対に人気があり、誰もが購入するような銘柄には注意が必要です。人気に左右されて、高値で購入し、下落したときに焦って売却するという結果になりかねません。
奇をてらう必要はありませんが、掘り出し物に注目しましょう。
⑩買い難い相場は高い
株式投資では誰もが安いときに買って、高いときに売ることで利益を出そうとします。したがって、株価が高いときには「高い」という理由だけで銘柄への投資を諦めてしまう人がいます。
この名言はそういった投資家を諌める言葉です。
もちろん「知ったらしまい」と言われるように材料が出尽くしたから株価が上昇していると考えることもできます。しかし、株価が高いからには多くの投資家が納得できるような理路整然とした理由が必ずあります。
企業業績の拡大や増配が予想されているなどのプラスの要素があるから多くの投資家が銘柄を購入しているのです。したがって、株価の高い銘柄こそさらに株価が上昇する可能性を持っています。
株価が安いから買う、株価が高いから買わないのではなく、株価が高いときに購入することをためらわない投資家こそが利益を得ることが出来るのです。
⑪天井三日 底百日
この名言は短期売買を繰り返す投資家の間で最も有名な言葉であり、株価のオーソドックスな動きを表しています。
逆に言うと長期投資を心がけている投資家にはあまり関係ないかもしれません。
株価の最もオーソドックスな推移としてはゆっくり上昇していき、天井に達したと思ったら、一気に下落し、再び株価が上昇するまでには長い期間横ばいを続けます。
高値圏にあるのはわずかな時間ですので、銘柄を売却して勝負をかけられるタイミングはほんの一時です。これを日数で表現するとすれば、「天井三日 底百日」となります。
短期売買をする投資家は株価が上昇してもそれがいつまで続くか分からず、わずかな時間だけが勝負できるのだと知っておく必要があります。
⑫三割高下に向かえ
この名言は三割高下と書いて「さんわりこうげ」と読む言葉です。
通常、株式相場が上昇すれば、強い期待を抱いて強気になり、反対に相場が下落すれば弱気になってしまいます。しかし、上昇する株価を見て強気になっていると突発的に株価が下落し、売り時をのがしてしまいます。
そこでこの「三割高下」という原則が役に立ちます。
これは株式投資において「三割」を目安として、三割上昇すれば、ひとまず銘柄を売却し、逆に三割下落すれば銘柄を購入します。
このように一定の指標を設けて機械的に売買注文を出すことによって買い時や売り時を逃す心配がなくなります。
この「三割」という数字はテクニカルチャートの「フィボナッチリトレースメント」から導き出されており、かなり実践的な数字です。
⑬利食い千人力
この名言は株式投資の利益は銘柄を売却したときに初めて確定するということを意味しています。
株式相場が上昇して、評価上では利益が出ていても、その後に相場が下落して、含み損を出すことになるかもしれません。
実際に評価益で満足し、さらに欲を出してしまって「もっと上がるだろう」と思っていても必ずそうなるとは限りません。
さらなる上昇を期待していたら売るタイミングを逃してしまうことは珍しくありません。
この名言は「利食いは、千人の味方にも匹敵するくらいの価値がある」という意味であり、購入時に立てた戦略通りに株価が上昇したら思い切って売却して、利食いをして利益を確定させるべきである教訓です。
⑭見切り千両
見切り、すなわち損切りをすることは千両の価値があるという教えです。
株式投資において最も難しいのが損切りをすることです。損切りは損失を確定させる行為ですので、どうしてもネガティブに捉えられることが多く、多くの投資家が希望がないにもかかわらず銘柄を保有し続けようとします。
株価が下落しても「いつか回復するだろう」という希望を抱きたくなるものですが、ズルズルと損失が膨らんでいき、大損を被って株式市場から退出することになるかもしれません。
したがって、銘柄の見通しが暗いと思ったら勇気を持って損切りをしましょう。
この名言は損失の少ないうちに見切りをつけて損切りをすることには「千両」の勝ちがあり、ある程度の損失覚悟で損切りをすることには「万両」の価値があると教えています。
まとめ
株式投資の名言を14つ紹介しました。これらの名言の中には著名な投資家が言ったものから、機関投資家が言い始めたものまでが混ざっています。
株式投資の厳しさを知っている投資家だからこそ言える名言に「なるほど」と思える名言があったのではないでしょうか。
株式投資は不透明で変動する見えない相手との戦いです。戦いで不安になったり、負けそうになったら今回ご紹介した名言を思い出してみて下さい。
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