かつては株式投資=ギャンブルというイメージがありました。
しかし、最近では「貯蓄から投資へ」の流れの中で積立NISAやiDeCoなどの非課税制度が普及し、多くの方が投資に興味を持つようになりました。
株式投資は短期投資と長期投資に大別されますが、今でも短期投資はギャンブル的な要素が強いと思われ、敬遠されがちです。
しかし、短期投資と長期投資のどちらが優れているという簡単な議論はできません。
投資の神様として知られるウォーレン・バフェット氏は長期投資を自身のスタイルとしていますが、SACファンドを立ち上げたスティーブン・コーエン氏は短期投資で巨額の富を築きました。
今回は短期投資のなかでもスキャルピングやデイトレードという手法の特徴やメリット・デメリットについてご紹介したいと思います。
目次
株式投資の短期投資とは?
株式投資の基本は安いときに買って、高値で売却することでその差額を利益とするものです。
短期投資は株価が上昇すると予想する銘柄を購入し、売却のタイミングを待って、値上がりしたらすぐに売却するという短い期間で売買を行う手法です。
いかに短期間で株価が上昇する銘柄を見つけられるかがカギとなります。
短期投資の手法にもいくつかありますが、最も代表的な手法が以下の2つです。
- スキャルピング
- デイトレード
それぞれの特徴やメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。
スキャルピング
スキャルピングを英語に訳すと”scalping”となります。”scalp”とうい単語には「薄く頭皮を剥ぐ」という意味があります。
これは薄く頭皮を剥ぐように少ない利益を数多く積み重ねるという手法です。
スキャルピングは短期投資のなかでも超短期投資であり、数秒から数分というごく短い期間で何度も売買を繰り返し、ポジションを解消するというトレード手法です。
1回あたりの利益は小さくなりますが、取引回数を多くして利益を積み上げます。
超短期投資ですので、高性能のPCの前に一日中張り付いている必要があるとイメージされがちですが、昼休みや本業が終わった後の1時間だけなど時間を限定してスキャルピングを繰り返す投資家も多くいます。
わずかな時間で売買を繰り返すので、瞬発的な決断力やスピード感のある発注が求められます。
デイトレード
デイトレードとは「デイ」という言葉からもわかるように1日のうちに銘柄の購入と売却を行う短期投資手法です。
ポジションを翌日に持ち越すことはなく、次の日には新しいポジションを保有します。
スキャルピングがわずかな時間の小さな利益を狙うのに対して、デイトレードの利幅はもう少し大きくなります。
デイトレードは過去のデータや経験則に基づくテクニカル分析をベースとする取引ですので、株式相場が変動する可能性のある速報ニュースに敏感になります。
スキャルピングは1日のうちの一定時間のみ取引に集中すればよいのですが、デイトレードの場合はポジションの保有と精算に1日かけますので、一日中高性能PCの前に張り付いて相場を監視する必要があります。
スキャルピングのメリットとは?
スキャルピングはデイトレードなど他の短期投資と比べても利益確定が早いのが特徴です。
損益が出るのが極端に早いのでハイリスク・ローリターンだと思われがちですが、実は大きなメリットがあります。
一般的に言われているスキャルピングのメリットは以下のとおりです。
- 持ち込みによる含み損のリスクがない
- 高い勝率
それではそれぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
メリットを理解すれば、多くの会社員がスキャルピング市場に参加する理由がわかるはずです。
メリット1:持ち込みによる含み損のリスクがない
スキャルピングは数秒から数分というごく短い期間に売買を繰り返します。これは最短の時間で最小の利益を狙うスキャルピングの特性そのものです。
「塵も積もれば山となる」となるの如く最小の利益の積み重ねによって大きな利益を狙います。
どんなに小さい値幅であっても利益を確定させますし、損切りラインを低く設定することで次の日に持ち込むこともありません。
つまり、翌日までポジションを保有するリスクが低いということです。
通常、株式相場は企業の決算や政治経済情勢、自然災害などの外部環境の影響を受けますが、スキャルピングの短い取引時間によって、それらの影響を最小限に抑えることができます。
つまり、利益の幅も短いことの引き換えに大きな損失も発生しないのです。
メリット2:高い勝率
株式投資において何をもって「勝ち」とするのかは難しいところがありますが、利益が損失を上回るという意味においてはスキャルピングは勝率の高い投資手法です。
株式を長期間保有すると企業の決算や相場のトレンドの影響を受けます。たとえ短期売買であっても速報ニュースが入れば相場環境は乱高下します。
したがって、30分や1時間先の相場環境を読むことはほとんど不可能です。
しかし、それが10秒や1分、5分先の相場環境であれば外部環境の影響は最小限に抑えられます。
もし予測と反する方向のポジションを保有しても短時間で損切りすればリスク軽減になります。
その分得られる利益も限定されますが、上述のように利益が損失を上回るという意味においては勝率は高いのです。
スキャルピングのデメリットとは?
スキャルピングはポジションの持ち越しリスクがなく、勝率の高い投資手法ですが、デメリットがないというわけではありません。
会社員が片手間に行って利益を得られるような投資手法ではありません。
一般的に言われているスキャルピングのデメリットは以下のとおりです。
- 利確を逃す恐れがある
- スプレッドコストが高くなる
それではそれぞれのデメリットについて詳しく見ていきましょう。
デメリットを理解しておけば、事前に回避する方法を学ぶことができます。
デメリット1:利確を逃す恐れがある
スキャルピングはリターンも小さいですが、勝率の高い手法です。しかし、それは売買のタイミングを逃さないことが前提です。
利確を逃さないためにチャートに張り付いて、「ここだ」と思ったタイミングで売買注文を出す必要があります。
数秒単位の勝負になるので、高性能PCが複数必要になります。また、トレードの最中の回線の不具合は利確を逃すことにつながるので、有線の安定した回線を使う必要があります。
さらに数秒単位の売買タイミングを逃さないために根気や集中力、反射神経、動体視力などが必要になりますので、長時間スキャルピングを続けるには多大な体力を使います。
機械的な作業を俊敏にミス無くこなせる方なら別ですが、通常の人間であれば利確のタイミングを逃してしまうこともあるでしょう。
デメリット2:スプレッドコストが高くなる
スキャルピングは数秒から数分単位で売買を繰り返します。株式の売買は証券会社の証券口座を使って行うことになりますが、基本的には売買の度に手数料がかかります。
売買の回数が増えれば手数料を支払う回数も増えるため、取引コストが蓄積します。
スキャルピングは小さい利益を積み上げていく投資手法ですので、わずかな取引コストが大きな損失につながります。
これはスキャルピングの性質上仕方のないことではありますが、コストのマイナスが蓄積するので、メリットが少ないようにも思えます。
しかし、最近では1日の間で一定回数もしくは一定期間内の取引にかかる手数料を定額にしている証券会社もあります。
そのような証券会社を利用することでスプレッドコストを最小限に抑えることは可能です。
デイトレードのメリットとは?
短期投資というとデイトレードを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?
デイトレードはスキャルピングと比較すると長いスパンで取引をしますが、多くの人のイメージと異なり、デイトレードのメリットもあります。
一般的に言われているデイトレードのメリットは以下のとおりです。
- 短期間で比較的大きな利益を得られる
- 外部環境の影響を軽減できる
デイトレードのメリットについて詳しく見ていきましょう。
メリット1:短期間で比較的大きな利益を得られる
スキャルピングは言葉の通り、薄い利益をたくさん積み重ねることで利益を獲得します。
一方でデイトレードは文字通り、1日の間の株式相場の変動幅を利用して、売買注文を出すので、利益幅が大きくなります。
一般的な株価の変動幅は1日に1~5%程度であり、底で購入し、高値で売却すれば1~5%の利益を安定して出せることになります。
スキャルピングと同様に早く成果を出したいというニーズとスキャルピング以上に大きな利益を確定させたいというニーズを同時に成し遂げられるのがデイトレードのメリットと言えます。
このように短い時間で目に見える結果を出せるのが、デイトレードの魅力です。
メリット2:外部環境の影響を軽減できる
株式相場は企業の業績発表や海外の株式相場の変動、政府や日銀の統計の発表のデータなどによって影響を受けます。
前日には株価が順調に上昇していたものの次の日にはかなり株価が下がってスタートするということはよくあります。
なぜならこれらの重要な経済発表や海外の株価相場の変動は日本の証券取引所が閉まっている時間に行われるからです。したがって、株のポジションを翌日に持ち越した場合は売却損が生じてしまいます。
しかし、1日の間で株のポジションの保有と売却をするデイトレードであれば、翌日にポジションを持ち越さないので、ニュースなどの外部要因によるポジションリスクはありません。
また、これらのニュースなどの情報をリアルタイムで把握する必要もありません。
デイトレードのデメリットとは?
デイトレードはスキャルピングよりも大きな利益を短期間で得ることができ、外部要因にも影響されづらい手法ですが、デメリットがないというわけではありません。
やはり会社員が片手間に行って利益を得られるような投資手法ではありません。
一般的に言われているデイトレードのデメリットは以下のとおりです。
- 会社員にはハードルが高い
- 手数料が高い
それではそれぞれのデメリットについて詳しく見ていきましょう。
デメリットを理解しておけば、事前に回避する方法を学ぶことができます。
会社員にはハードルが高い
スキャルピングは1日のなかの一定時間を確保すれば、取引に参加できますが、デイトレードは1日の間での1~5%の株価の変動の底値と高値を掴みに行きます。
したがって、一日中高性能のPCの前に張り付いて相場の変動を見ている必要があります。
会社員の方は平日の日中は仕事をしており、証券取引所が開いている時間と仕事の時間が重なっています。
デイトレードは会社員には向かないと言えるでしょう。
「会社員をしながら、デイトレードもしたい」という方は平日休みの会社で勤務するなどある程度の工夫が必要です。
手数料が高い
これはスキャルピングにも当てはまることですが、デイトレードも手数料が利益を圧迫します。
証券会社では銘柄の売買のタイミングで手数料を徴収します。デイトレードはスキャルピングほどではないですが、取引回数が多いので、取引の度に手数料がかかります。
結果として、手数料が利益を相殺し、手元には少ない利益しか残らないこともあります。
手数料の負担を軽減するためには1日の手数料を一定額としたり、一定回数の手数料を一定にしている証券会社のサービスを利用しましょう。
まとめ
スキャルピングとデイトレードについてそれぞれの特徴やメリットやデメリットについてご紹介しました。
どちらが良くて、どちらが悪いというわけではなく、自分のライフスタイルや性格に合った方法を選ぶことが重要です。
会社員の方が副業で短期売買を行う場合はスキャルピング、トレーディングで生計を立てる場合にはデイトレードをするのが一般的です。
それぞれの特徴を理解して、自分に合った手法で短期売買に挑戦しましょう。
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