空売りの配当調整金のすべてを解説【発生条件・金額・支払日まで】

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空売りをしていると「配当調整金」というコストが発生することがあります。配当調整金をしっかり理解しておかないと無駄なコストを支払ってしまうことになることもあるため、きちんと詳細を知っておきたいです。

そこでこの記事では、空売りの配当調整金のすべてを解説しています。配当調整金の詳細や発生条件、金額、支払日など、知りたいことがすべて分かりますので、ぜひ参考にしてください。

目次

空売りの配当調整金とは?

空売りの配当調整金とは、その銘柄に配当金がある場合、配当金相当額の支払をする必要があるというものです。

空売りでは証券会社から株を借りて売ることになります。そうすると証券会社は本来、受取れたはずの配当金を受取れなくなります。そのため、空売りをしている人は配当金相当額の支払が必要になってくるのです。

信用買いであれば配当調整金を貰える

空売りですと配当調整金を支払うことになりますが、信用買いであれば配当調整金を貰えます。配当金が貰えないことによってポジションに損が出る日があるからです。

配当金が得られる権利を獲得できる最終日の翌日を「権利落日」と呼びます。この権利落日には配当相当額だけ株価が下落します。配当金を得られる現物買いなら損にはなりませんがそうでない信用買いだと損になってしまうのです。

その問題を解決するために支払われるのが配当調整金です。信用買いしている人に対して配当相当分を支払して調整を行なうのです。

なぜ信用取引では配当金が貰えないのか?

空売りのような信用取引で配当金が貰えない理由は株主になれないからです。信用取引は証券会社から株を借りる取引方法であるため、株主は証券会社になります。

配当金は株主に支給されるものです。このため、配当金を貰えるのは現物買いをしている人のみなのです。信用取引で買っている人や売っている人は対象外になってしまいます。そうしたことから、信用取引ですと配当金が得られないのです。これは株主優待も同様になります。

空売りの配当調整金が発生する条件はこの2つ

空売りで配当調整金が発生するのは次の2つの条件を満たしたときです。

空売りで配当調整金が発生する条件はコレっ!
  1. 空売りで保有している銘柄に配当金が支給される
  2. 「1」の銘柄を権利付最終日をまたいで保有する

まずは空売りで保有している銘柄に配当金が支給されるのが第一条件です。次の条件は空売りしている銘柄を「権利付最終日」をまたいで保有することになります。

権利付最終日とは、配当金や株主優待が得られる権利を獲得できる最終日のことです。

そして権利付最終日をまたいで保有するとは例えば、10日が権利付最終日なら10日の株式市場が終了するまで保有するということになります。

以上、この2つの条件を満たした場合に配当調整金が発生するのです。よって、配当調整金の発生を阻止するには権利付最終日までに保有株を手放すことです。20日が権利付最終日なら20日の株式市場が終了するまでに保有株を手放させば、配当調整金は発生しません。

空売りの配当調整金の金額と計算方法

ここからは空売りの配当調整金の金額と計算方法をお伝えします。それでは配当調整金の金額と計算方法を確認していきましょう。

信用取引の種類配当調整金の金額
制度信用取引配当金×84.685%
一般信用取引配当金の100%

制度信用取引とは証券取引所のルールに従ってする信用取引です。

制度信用取引の場合、配当調整金の金額は「配当金×84.685%」です。

配当金が4,000円なら「4,000円×84.685%=約3,387円」となり、配当調整金の金額は約3,387円になります。

一般信用取引とは証券会社のルールに従ってする信用取引です。一般信用取引の場合、配当調整金の金額は配当金の100%です。配当金が4,000円なら4,000円、6,000円なら6,000円になります。

なお、信用買いのケースであれば、配当調整金は「配当金×84.685%」が得られます。配当金が3,000円なら「3,000円×84.685%=約2,540円」となり、約2,540円の配当調整金が得られるのです。

配当調整金の支払日【支払するまでの流れ】

配当調整金の支払日は決算日から3~4ヵ月後が基本です。

支払までの流れは以下のとおりになります。

配当調整金の支払までの流れ
  1. 権利付最終日をまたいで配当金のある株を保有する
  2. 権利付確定日に企業が株主を名簿に登録する
  3. 決算日から3~4ヵ月後に配当調整金の支払をする

先にお伝えしたように、配当調整金が発生するのは権利付最終日をまたいで配当金のある株を保有していたときです。そして権利付最終日から2営業日後に権利付確定日となり、企業が株主の情報を名簿に登録します。その後、決算日から3~4ヵ月後に配当調整金の支払をすることになります。支払方法は証券会社の口座から自動引落としが基本です。

まとめ

空売りの配当調整金は信用取引をしているときの配当金相当額の調整金となります。空売りをしていると証券会社が本来受取れたはずの配当金が得られなくなるため、支払義務が発生するのです。そんな空売りの配当調整金が発生するのは次の2つの条件を満たしたときです。

  1. 空売りで保有している銘柄に配当金が支給される
  2. 「1」の銘柄を権利付最終日をまたいで保有する

配当調整金の支払額は制度信用取引ですと「配当金×84.685%」であり、一般信用取引だと「配当金の100%」です。支払日は決算日から3~4ヶ月後が基本で、証券会社の口座から引落とされるのが一般的になります。

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