買う株を選ぶ際には、いろいろなスクリーニング法があります。
そしてそのうちの1つとして、「出来高」に焦点を当ててスクリーニングする方法があります。
出来高とは売買が成立した株数のことですが、それは何を反映している指標で、それによってスクリーニングをすることにはどのような意義があるのでしょうか?
また、その際の重要点は何でしょうか?以下に考察してみましょう。
目次
その株の流動性と注目度が反映される出来高
出来高とは、売買が成立した株数のことです。
以下の画像1は、2020年10月30日時点での東証一部上場企業の月間出来高ランキングを示しています。
三菱UFJフィナンシャル・グループ、ソフトバンクグループ、日産自動車、ENEOSホールディングス、NTTドコモ、東京電力ホールディングスなど、有名企業が並んでいます。
売買成立株数が多いということは、その株の流動性が高いということを意味します。需要も供給も大きい、ということです。
そしてそれゆえに、常に出来高が大きい銘柄というのは、基本的には注目度が高いということもできるのです。
ただし、長期保有者が多い銘柄というのもあります。そういう株の場合は、いくら有名であろうとも売買が活発に行われず、流動性は高くありません。その場合は、あまり大きな出来高にはならないのが特徴です。
結論として、「出来高」の大きさとは、その株の流動性の高さと、注目度の高さが反映される指標だといえます。
ちなみに、出来高に似ている値として「売買代金」があります。これは「株価×出来高」で算出されますので、同じ出来高でも株価が高い銘柄ほど値が大きくなります。
つまり、株価が「単価」、出来高が「売れた量」、売買代金が「売上金額」という関係性だと考えていただければよいでしょう。
ですから、株価が安い銘柄の場合、出来高が増加しても売買代金の増加はそれほど目立たないことになります。
出来高増加率
出来高に関するスクリーニング法としては他に、出来高増加率に注目する方法もあります。
以下の画像2は、2020年11月4日時点での東証一部上場企業の出来高増加率ランキングを示しています。ちなみにこのランキングは、過去10日平均の値によるものです。
出来高増加率が高いということは、その株の流動性が急に高くなっている、注目度が急に高くなっている、といえます。
そして、「出来高は株価に先行する」といわれることもあり、出来高の急上昇は株価の急上昇(買いによる出来高増加)または急下降(売りによる出来高増加)のサインだと考えることもできるのです。
なお、証券会社のスクリーニングツールを用いれば、例えば以下の画像3のように、出来高増加率を指標に「20営業日前からの出来高増加率が5倍以上の銘柄」などといった銘柄スクリーニングをすることもできます。
また、その上欄には、「過去25日出来高平均に対する、過去6日出来高平均の倍率が2倍以上の銘柄」というスクリーニングをおこなっている例も示しています。
出来高から購入銘柄をスクリーニングする際の重要点は?
では、これら出来高に関する指標から、購入銘柄をスクリーニングしていくための重要点は一体何でしょうか?
それは、その株の売買状況を想像することにあるのではないでしょうか。
例えば、以下のようなストーリーを考えることができます。
ストーリー1
「この株はいつも出来高が高い。だから常に流動性と注目度が高いのだろう。そしていま売りが多くなり株価が下落して割安になっている。この場合、今後また買われて上昇する可能性が高いのではないか」
ストーリー2
「この株の直近10日間における出来高増加率が非常に高い。調べてみると好材料が出ていて株価も上昇している。しかし、もともと目立たない銘柄なのでまだ割高でもない。だから、今後も値上がりしていく可能性が高いのではないか」
このように、出来高に注目し、さらに他の情報も合わせることによって、その株の売買状況と、今後の展望を推測することができるのです。
そして購入銘柄選びには、出来高という数値によるスクリーニングの他、このようにそこからその背景を推測することも重要だといえるのではないでしょうか。
「出来高から株のスクリーニングをする+その背景の推測」が重要
「出来高」は、その株の流動性の高さと、注目度の高さが反映される指標だといえます。
そして「出来高増加率」が高いということは、その株の流動性が急に高くなっている、注目度が急に高くなっている、といえます。
ただし、スクリーニングはあくまで数値による選別ですので、購入銘柄選びには、その数値の背景を推測することも重要だといえます。
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