デイトレードをするときは、必ず投資銘柄のスクリーニングをする必要があります。その際に、デイトレードの特性に合った指標を参考にして銘柄スクリーニングをしましょう。
この記事では、デイトレードに適した銘柄の条件と、スクリーニングで使える指標を解説した後に、デイトレードの銘柄スクリーニングで参考にしたい情報やSBI証券のデイトレ銘柄スクリーニングの事例を紹介していきます。
目次
デイトレ銘柄の条件
デイトレードを始めるにあったって銘柄スクリーニングは必須です。しかし、それ以前にどの銘柄を検討対象にしていくのかを理解する必要があります。
市場が開き、取引が行われている間は、こまめに様子を把握しておく必要があるのがデイトレードの特徴です。
どのような銘柄がデイトレードの投資対象になるのか見ていきましょう。
デイトレ銘柄は流動性の高いものを
デイトレードの投資対象銘柄となる条件として、「流動性が高いこと」が挙げられます。
流動性とは、市場に大量に出回っている株式を取引する動きの多さのことを意味し、保有した株式をいかにはやく容易に現金化できるかを示す度合いのことを言います。
一日や数時間といった短期の間に取引を行うためには、市場において十分に取引量がある銘柄を保有し、買いたいタイミングの時に買えて、売りたいタイミングの時に売れるものである必要があります。
流動性が低い銘柄を選んでしまうと、取引できる株数が限定されるため購入局面で株価を押し上げてしまったり、読みとは違う方向に値動きが発生した時に損切りができなかったりという事態に陥りかねません。
一般的に、流動性の高い銘柄は、TOPIX100やTOPIX Core30の構成銘柄に選出されるような時価総額も高い銘柄であることが多いです。
デイトレードをこれから検討される方や銘柄選定に苦戦している方は、流動性の高さを基本条件として銘柄スクリーニングをしていきましょう。
デイトレ銘柄は値動きの大きいものを
続いて、デイトレードの投資対象銘柄となる条件として、「値動きが大きいこと」が挙げられます。
1日のうちに
A:「一株50円から100円に値上がりした銘柄100株」と
B:「一株500円から1000円に値上がりした銘柄100株」では、
以下のような分析をすることができます。
- AとBはともに2倍の成長率を見せた
- Aは5000円の利益を出し、Bは50000円の利益を出した
- Bの利益はAの利益の10倍
成長率が2倍の二つ銘柄に同じ株数投資をすると、株価の値動きの額が50円のAよりも株価の値動きの額が500円のBのほうが大きく稼ぐことができます。
このように、デイトレードは投資期間中の値動きの差額が大きければ大きいほど利益が上がります。
1日のうちに売買を完結させる手法であるデイトレードにおいて、値動きが小さい銘柄を選んでしまうということは大きな利益を出すことが難しいことを意味します。
一般的に、値動きが大きい銘柄は、新興市場の銘柄や新規上場銘柄が多いため、流動性の大きさも考慮しながら銘柄選定をしていくとよいでしょう。
世の中の話題の中心である銘柄
最後に、デイトレードの投資対象銘柄となる条件として、「世の中の話題の中心である銘柄であること」が挙げられます。
企業の決算発表や、原材料価格の高騰、企業幹部の不正行為による企業イメージの低下といったニュースは、株価の値動きを活発化したり、流動性が大きくなったりしやすいです。
話題になっている企業やその業界のセクターに目を光らせておくことが有効です。
また、ニュースになるような企業は世の中の関心の大きさの表れを意味しており、多くの個人投資家や機関投資家が注目しています。
企業の決算発表のスケジュールや日々届けられるニュースに耳を傾ける習慣をつけ、話題の波に乗れるように準備しておくことがデイトレードの成功の鍵といえるでしょう。
デイトレ銘柄スクリーニングで使える指標
ここまで、デイトレードでの投資銘柄の基本条件や理由について説明してきました。
「じゃあ、どのようなテクニカル分析の指標が銘柄スクリーニングには有効なの?」「具体的にスクリーニングのポイントを教えて!」という方もいるのではないでしょうか?
ここからは、デイトレードでの銘柄スクリーニングの指標として使えるテクニカル分析のツールの紹介と解説をしていきます。
移動平均線
デイトレードの銘柄スクリーニングで使える指標の一つが「移動平均線」です。
移動平均線は、短期中期長期それぞれの場合においてトレンドを読み解くことができます。
デイトレードやスイングトレードでは、25日移動平均線付近を買いのタイミングとする考え方があります。
この考えは、過去の経験則と照らし合わせて、上昇局面では25日移動平均線をターゲットに株価の高騰がみられ、下降局面では25日移動平均線で反発に転じるケースが多いためです。
移動平均線を使った銘柄スクリーニングの方法は以下のチャートを用いて説明します。
移動平均線が5日25日75日の3種類あり、オレンジのポイントがついている点は、25日移動平均線を5日移動平均線が上向きに交差したところです。
株価を見るとこのオレンジのポイント付近を起点に大きく上昇していることが分かります。一方、ブルーのポイントがついている点は、25日移動平均線を5日移動平均線が下向きに交差しています。
このときの株価はブルーのポイントを付けた付近から大きな下落をしていることが分かります。
このように、25日移動平均線と5日移動平均線の交差する点には、デイトレードの売買のタイミングを知らせる可能性があります。
5日移動平均線が25日移動平均線を上向きに交差するチャートをスクリーニングすることでデイトレードの銘柄選定は可能です。
ヒストリカル・ボラティリティ(HV)
「ヒストリカル・ボラティリティ(HV)」もデイトレードの銘柄スクリーニングで使える指標です。
デイトレードの銘柄の条件として値動きの大きさをあげましたが、まさに株価の変動の幅を示すのがヒストリカル・ボラティリティ(HV)です。
ヒストリカル・ボラティリティ(HV)とは、株価の変動を表すボラティリティ(変動率)の変動を歴史的観点から求める指標で、一般的には直近60日分の終値騰落率(前日比率)を用います。
大手ネット証券会社SBI証券でも、銘柄スクリーニングの項目の中には「過去60日ボラティリティ」がありデイトレードの銘柄スクリーニングで使用する指標としては広く一般的です。
デイトレードの銘柄スクリーニングには、ヒストリカル・ボラティリティ(HV)が高いものを選択するのがいいでしょう。株価の乱高下が大きいほうがデイトレードには向いていて、大きく利益を上げることが可能です。
デイトレ銘柄スクリーニングで参考にしたいもの
ここまで、デイトレード銘柄のスクリーニングで使える指数として、25日移動平均線とヒストリカル・ボラティリティ(HV)の紹介をさせていただきました。
銘柄を選定する際は、デイトレード銘柄になりえる条件の中で、このような指数に注目して投資銘柄を決めることが重要です。
では、デイトレード銘柄のスクリーニングでほかにも注視しておくべき箇所はあるのでしょうか?ここからは、指数以外にも注目すべき内容を解説していきます。
日々のニュース
デイトレード銘柄を選定していくうえでまず頭に入れておきたいのが、企業の決算発表や原材料の価格高騰、政治情勢の変化といった「ニュース」です。
デイトレ銘柄の条件でも説明したように、ニュースで取り上げられたセクターや特定の企業は、世界的にも関心を集めており取引量やボラティリティ(変動率)が大きくなります。
デイトレードの銘柄を指数でスクリーニングする前に日々のニュースをチェックして、その日のボラティリティ(変動率)が高くなるセクターに焦点を当てて検索銘柄を絞り込むと成功確率が大きくなるでしょう。
トレンド
デイトレードの銘柄のスクリーニングの際に注目しておきたいところとして「トレンドの変化」も挙げられます。
トレンドとは、上昇トレンド、レンジの動き、下落トレンドに大きく分けられます。株価のローソク足チャートからトレンドの見つけることで、次に株価の値動きがどちらの方向に動いていくのかを予測できる確率が高まります。
以下のチャートはみずほフィナンシャルグループの5分足チャートです。(2021年12月13日時点)
ブルーで示されているのが下落トレンドのライン、イエローがレンジの動き、オレンジが上昇トレンドのラインです。
上昇トレンドの部分に焦点を当てると、トレンドラインを下にブレイクアウトした後から株価が下落に転じていることが分かります。
今回は小さな上昇トレンドでしたが、このようにローソク足チャートの動きから今後のトレンドを予測して損切りのタイミングや購入のタイミングを決めることが重要です。
銘柄をスクリーニングする際にも、その銘柄のトレンド方向を見定めて投資銘柄を決定することが重要です。
スクリーニングの方法(SBI証券の事例)
ここまで、デイトレード銘柄のスクリーニングで使える指標や注目すべきポイントを説明してきました。
ここからは、SBI証券における「デイトレードタイプ」でのスクリーニングの方法を紹介します。
スクリーニング対象銘柄の市場や市場トレンド、時価総額や過去60日ボラティリティといった指数でのスクリーニングが可能です。
上記画像に入力されている具体的な数値はあくまで目安ですので、あなたの投資経験やリスク許容度に応じて最適な設定を見つけていきましょう。
デイトレで勝つためには銘柄スクリーニングが重要
デイトレードの銘柄は、流動性とボラティリティ(変動率)が高く話題性のある銘柄であるという条件がありました。
そのうえで、銘柄のスクリーニングの使えるテクニカル分析の指標として、25日移動平均線とヒストリカル・ボラティリティ(HV)を紹介させていただきました。
デイトレードで勝つためには、投資タイミング以上に銘柄スクリーニングでミスを犯さないということが重要になってきます。
「投資結果は自己責任」ですが、「投資銘柄の選定も自己責任」であることを念頭に置いて、今回の記事で紹介した指数やポイントを参考にしていただければと思います。
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