こんにちは。
株式トレーダーの川合一啓(かわいいっけい)です。
ある程度のキャリアを持つ個人投資家の方の中にも
株の運用利回りを正確に把握していない人がいます。
しかし。
株売買も資産形成のための大事な手段ですから
目標値を定めつつ
運用利回りを正確に把握した方がよい
ことは言うまでもありません。
そこで、本記事では
「運用利回りの計算方法」と
「目標利回りの定め方」をご紹介します。
目次
株の運用利回り計算方法(基本式)
運用利回りとは
その投資資産が1年間でどれくらい増えたかを示す割合です。
例えば、1月1日に現金100万円を元手に投資を始め、
12月31日に現金と株式評価額が合わせて110万円分になっていたら、
となり、当初の100万円が1.1倍(110%)になった
「すなわち運用利回りは10%だった」
ということになります。
これは日本語に直すと、
(この例だと期首は現金のみ)
という関係になります。
そしてこの「式1」が、
運用利回りを計算するための基本的な式となります。
なお、期日は1月1日から12月31日でなくとも、
4月1日から翌年3月31日などの任意の1年でも構いません。
また、一般的に利回りといえば1年間における値を指しますが、
3ヶ月ごとや半年ごとなど任意の期間で計算してもよいでしょう。
ちなみに計算上間違えてはいけないのは、
ここでの「現金」は、あくまで「投資用の現金」だということです。
この2つを一緒にしてしまうと計算はできなくなるので、注意しましょう。
株の運用利回り計算方法(完成版)
さて。
「式1」は株の運用利回りを計算するための基本的な式なのですが、
いくつかの調整が必要となります。
まず、投資資金を途中で増やしたり(増資)、
配当金が入金されたりすることがあるので、
元手となる資金が期間内に増えることが現実には想定されるのです。
しかし、それをそのまま現金にしておき株を買わなければ、
期末になっても入金した分がそのまま増えるだけなので、
その分の運用利回りはちゃんと0%になります。
一方、それを株にして運用し、期末にそれが増減していれば、
その分の運用利回りもちゃんと増減します。
よって、この増資と配当による入金の場合は、
元手資金の増加と見なせばよいのです。
ですから先ほどの「式1」は、
にすることができます。
一方で逆に、何らかの事情で私生活上現金が必要となり、
期中に投資用資産から現金を出金することもあるでしょう。
すると当然、期末にもその分の現金が減りますが、
しかしこれは投資による損ではありませんので、
利回りとは関係がありません。
ですから期中に出金した現金に関しては、
あるものとみなして期末の資産に加えておきましょう。
よって先ほどの「式2」は、
となります。
この「式3」が、運用利回りを求める式の完成版となります。
これを求めた結果が1.05ならば運用利回りは「5%」ですし、
0.9ならば「-10%」となります。
目標利回りの定め方
次は、
「現在の投資用資産を一定期間内で目標資産額に増やすためには
どの程度の利回りが必要になるか」
その計算方法をご紹介しましょう。
例として、元手が100万円あり、それを3年で500万円にしたいとします。
ではこの場合、年間何%の利回りで運用をすれば、
目標を達成できるでしょうか。
まず、目標金額を現在金額で割ります。
つまり、目標までに資金を5倍にすればよいということがわかります。
そして、3年で今の金額を5倍にしたいのですから、
を計算すればよいのです。
これは、
「ある数を3乗(×3×3×3)すれば5になる」
という意味で、下の画像の左辺の式にあたります。
そしてこの「5の3乗根」は右辺の「5の(3分の1乗)」と同じ意味であり、
「^」と「(」「)」ボタンのある簡素な関数電卓があれば、
その「ある数」を求めることができます。
なお、そういった電卓はスマホについていますし、
表計算ソフトで計算することもできます。
入力は、
で、答えは約1.71となります。
つまり。
年間約71%(1.71倍)で運用をすれば、
3年で資金が約5倍になることを示しているのです。
なおこの式を一般化すると、以下のようになります。
aに「何倍にしたいか」、
bに「投資期間」を入力すればよいのです。
ちなみに、365日で資金を3倍にしたい場合を計算してみると、
で、答えは約1.003になります。
1日約0.3%(約1.003倍)で365日運用をすれば、
資金は約3倍になるのです。
複利の力はすごいですね!!
小さくても確実に利益を積み重ねていくことがいかに大事かが、
おわかりいただけたと思います。
株の運用利回りを正確に把握するやり方のまとめ
正確に計算された数字によって現実を把握することは、
投資には欠かせません。
ご紹介した計算方法を使ってあなたの目標値を定め、
運用利回りをちゃんと計算してください。
さらに、複利の力を使って資産を増やしてください。
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