見せ板とは約定させるつもりがない大量の売り注文や買い注文のことです。
見せ板というものがあると知らずに、板の情報を鵜呑みにしてトレードするのはとても危険です。
見せ板の目的やその本質を理解し、逆に利用することで利益を出せるような情報をお伝えします。
目次
見せ板とは
見せ板とは約定させるつもりがないのに、大量に売りや買いの注文を行い個人投資家の心理を揺さぶる手法です。
主に機関投資家や大口投資家が使う手法で、気配値が見せ板付近になるとその注文を取り消し、約定しないようにします。
見せ板は不公正取引です。過去に逮捕された人もいるので絶対に行わないでください。
また、見せ板は「見せ玉」と言われることもあるので覚えておきましょう。
見せ板の目的
見せ板の目的は、見せ板を出す人の利益が出るように値動きを誘導することです。
例えば、板の売気配株数や買気配株数が各気配値で1,000株未満の数字が並んでいるのに、ある売気配値だけ10,000株の売気配株数となっています。
買いで参入したい場合、その板を見たあなたはどう思いますか?
「買ってもすぐに頭打ちでこれ以上上昇しなさそうだから、買うのをやめよう」となると思います。
これが見せ板の狙いです。
つまり市場心理をコントロールし、自分に都合の良いように値動きを操ることが目的です。
見せ板の見分け方
見せ板の見分け方は、ぱっと見では難しいです。
本当に大量に売ったり買ったりしたくて注文しているのか、約定させる気が無い見せ板かは分からないですよね。
これを見分けるには見せ板と思われるものが現れたら、その見せ板が消えるまでずっと見ていることです。
約定する前に注文が取り消されれば見せ板と見分けられます。
また、見せ板の場合、現在の株価の2~5ティック程度離れた気配値に注文を出していることが多く、株価の変動に合わせ再度2~5ティック程度の離れた気配値に修正してきます。
具体例をあげると、現在の株価1,000円に対し1,003円で10,000株の売り注文が出ているとします。
株価が999円になったら、1,003円の10,000株の売りは無くなり、1,002円に10,000株の売りが新たに出されると見せ板の可能性が高いです。
逆にずっと見せ板と思われるものが残っており、約定すれば大口投資家か機関投資家が参入若しくは買い増し、売り増ししたかもしれない重要なシグナルなので見逃さないようにしましょう。
また、約定したかどうかの確認方法は歩み値を見ましょう。かなり大量の株数が約定されれば出来高でも確認は可能ですが、歩み値の方が確実です。
具体的に見せ板と思われる例を2つ紹介します。
見せ板の例① 売り板に見せ板
これは売り板に見せ板と思われる、注文が入っている板の画像です。
各気配値の売り、買い共に数百株程度の注文しかないのに、9,160円に4,900株も売り注文が入っています。
このような板を発見したときは見せ板の可能性があるので注視しましょう。
見せ板の例② 買い板に見せ板
これは「見せ板例①」とは逆に買い板に見せ板と思われる、注文が入っている板の画像です。
各気配値の売り、買い共に数百株程度の注文しかないのに、391円に7,200株も売り注文が入っています。
このような板を発見したときは見せ板の可能性があるので注視しましょう。
見せ板を逆手に取ろう
見せ板の本質や目的が分かれば、それを逆手に取ることで利益を出すことが可能です。
例えば、売り板に見せ板が出た場合、機関投資家は
「株価をなるべく下げて買い集めよう」と考えていることになります。
機関投資家の買い集めが完了すれば、機関投資家は高く売り抜けるために株価をつり上げてから売ると推測できます。
つまり、売り板に見せ板が出たら買いで参入すれば利益が出せるということです。
逆に買い板に見せ板が出た場合、機関投資家は「株価をなるべく上げて売ろう」と考えていることになります。
株価をつり上げてから売るので、ある程度株価が上昇した後に売りで参入すれば利益が見込めます。
つまり、機関投資家と同じ方向性で売買をすれば利益が出せるということです。
売り板の見せ板が一瞬で約定した場合、大チャンス!
売り板の見せ板が一瞬で約定した場合は、大チャンスです。
今までの説明でわかる通り、見せ板とは機関投資家が「約定させるつもりがなく」注文を出し、板に圧力をかけている状態です。
これは圧倒的に資金力が豊富な機関投資家と、資金力に乏しい個人投資家の構図の場合、成り立ちます。
ここで見せ板をしている機関投資家とは別の第二の機関投資家が参入してきた場合はどうなるでしょうか。
具体的に「見せ板の例① 売り板に見せ板」の画像で説明します。
見せ板をしている機関投資家を機関投資家A、そこへ参入してきた機関投資家を機関投資家Bとします。
機関投資家Aは9,160円で4,900株の見せ板を出しています。
このとき機関投資家Aの思惑としては
「見せ板をすることで買い圧力を弱くし、株価が下がったところで買い集めよう」と考えているはずです。
つまり、この株式は「買い」だと思っているということです。
そこに機関投資家Bが参入してきました。機関投資家Bはもちろんプロなので
「9,160円は見せ板で、安く買い叩こうとしている機関投資家がいる」とわかります。
そこで、機関投資家Bが取る行動は「機関投資家Aが安く買い集める前に自分が買いたい」となります。
しかも、9,160円にまとまった売り注文があるために株価を暴騰させることなく、まとまった株数を購入できますよね。
見せ板だった売り注文が約定してしまった機関投資家Aが取る行動は以下のどれかになります。
- 素直に諦める
- 今は諦めて株価が高騰した後に空売りする
- 先を越されたが上昇する可能性のある株式なので同じく買いで参入する
- 素直に諦めてすぐに買い戻す
- 今は諦めて株価が高騰した後に追加で空売りする
- すぐに追加で空売りする
機関投資家Bは上昇すると見越して購入し、さらに機関投資家Aも「すぐに追加で空売りする」以外の選択肢の場合、売り圧力がなく完全なる上昇相場に突入します。
機関投資家Aが「すぐに追加で空売りする」を選択した場合は機関投資家B次第ですが、機関投資家Bが勝てば更なる踏み上げ相場に発展します。
要はいずれの場合でも、上昇相場になる可能性が高いということです。
もし見せ板と判断したものが一瞬で約定したら、それは大チャンスなのでぜひ覚えておきましょう。
まとめ
見せ板とは約定させるつもりがないのに、大量に売りや買いの注文を出し個人投資家の心理を揺さぶる手法です。
株の見せ板について色々な情報を以下にまとめました。
- 見せ板とは約定させるつもりがない、大量の売りや買いの注文のこと
- 見せ板は不公正取引で犯罪
- 見せ板の目的は見せ板を出す人の利益が出るように値動きを誘導すること
- 見せ板は約定する前に注文を取り消す
- 見せ板が出た場合は、機関投資家と同じ方向性で売買し利益を確保する
- 売り板の見せ板が一瞬で約定した場合、大チャンス。買いで参入しましょう!
この記事をここまで読んで頂いた方は「見せ板」がどんなときに使われるか。また、どのような狙いや目的があって見せ板をしているのかを理解して頂けたと思います。
見せ板だと確信したときはそれを逆手にとって利益を生み出しましょう。
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