株価の推移を示す株価チャートですが、そこに水平線を引くことで明確になることがあります。
そんな水平線の利用方法を、ご紹介していきましょう。
目次
株価チャートに水平線を引いた例1
具体例を挙げていくのがわかりやすいと思うので、まずは以下の画像1-1をご覧ください。
(以下、チャート画像はすべてSBI証券の画面より)
ある銘柄の過去6か月におけるチャート上で、直近の終値から水平線(紫色)を引いた画像です。
大雑把に、前半分の期間はすべて水平線を下回っていて、後半分の期間はほぼ水平線を上回っているといえます。
つまり前半分期に買った人は含み益を抱えていて、後半分期に買った人はほぼ含み損を抱えているのです。
よって後半分期に買った人は、高値で買いすぎたと判断できるのかもしれません。
しかし視点を変え、今度は同銘柄の過去30年におけるチャート上で、同じく直近の終値から水平線(紫色)を引いたのが、以下の画像1-2です。
このスパンで見ると、過去のどのタイミングで買った人もほぼ含み益を抱えていることがわかります。上場直後に買った人などは、大儲けしています。
つまりこの銘柄は、長期にわたって株価が上昇し続けている銘柄だといえます。
直近の数か月では下がっている傾向が見られますが、長期保有すれば、また上がる可能性が十分にありそうです。
株価チャートに水平線を引いた例2
次の例は、別のある銘柄の過去6か月におけるチャート上で、もみ合い(一定の範囲で株価が上下している状態)の見られる一定期間ごとに、上値と下値で水平線(黒・緑・紫色)を引いた画像です。
7,000円を前後している黒い水平線内でのもみ合い期間
7,000円台後半から9,000円弱を前後している緑の水平線内でのもみ合い期間
10,000円を前後している紫の水平線内でのもみ合い期間
が比較的明確になっています。
これは典型的な「ブレイクアウト」で、一定期間内の上値を超えると株価水準が次のステージに移る、ということが6か月の間に2度もあったといえます。
では、今度は同銘柄の過去30年におけるチャート上で、同じくもみ合いの見られる一定期間ごとの水平線(黒・緑色)と、直近終値の水平線(紫色)を引いた画像をご覧ください。
2000年にITバブルが崩壊し2003年になって上向きに転じた後
1,000円以下から2,000円を超えようとしていた黒色水平線の期間と
2,000円を超え6,000円に迫っていた緑色水平線の期間があり
それぞれにブレイクアウトがあったことがわかります。
したがってこの銘柄は長期的に見ても、もみ合いとブレイクアウトを繰り返しているといえます。
なお、直近の紫色水平線を見ると、ITバブル時の一時をのぞくと過去最高値になっていることがわかります。
今後また短期的にも長期的にももみ合いが起こりそうですが、長期的には成長を続けている銘柄だといえそうです。
株価チャートに水平線を引いた例3
次の例は、また別の銘柄の過去6か月におけるチャート上で、直近の終値に水平線(紫色)を引いた画像です。
過去すべてにおいて株価は水平線を下回っており、6か月間は株価が上昇し続けていたことがわかります。
では次に、同銘柄の過去30年におけるチャート上で、同じく直近の終値から水平線(紫色)を引いた画像をご覧ください。
2003年ごろから2009年ごろはずっと水平線を上回っていて、特に2005年から2007年ぐらいは現在よりはるかに株価が高かったことがわかります。
その後、民主党政権時代は下落を続け、アベノミクス開始で持ち直し、ここ7年ほどは現在の株価を前後しています。
つまりこの銘柄の場合、ここ6か月は上昇し続けているのですが、長期で見ると成長性はなく、底をついてここ1年で再び上昇基調に入ったということがわかります。
今から買っても、どうなるかはわからないといえるでしょうか?
水平線の利用法
株価チャート上の水平線の引き方と利用法に、決まったルールはありません。
しかしこのように、図形の証明問題が補助線を引くことで容易になるかのごとく、水平線を引くことで明確になることもあります。
それは、その企業の「歴史」と、「現在の立ち位置」といえるのではないでしょうか。
ツールによってはチャート上で簡単に水平線が引けるものもありますし、チャート上にピンと張った糸を押し当てても、頭の中に水平線を描いても構いません。
それによってその企業の歴史と立ち位置が、以上3例のように推測できます。
そしてそれは、その後の売買の参考にもなるのではないでしょうか。
なおそのためには、例のように短期と長期のチャートで水平線を引いてみることをおすすめします。
また、株価チャートだけでなく、ファンダメンタルなども考慮した総合的な判断によって投資をすることも、もちろん大切です。
水平線を引けばその企業の「歴史」と「現在の立ち位置」がわかる
直近の終値に引く、もみ合いの上値と下値に引く、短期と長期のチャートに引くなど、株価チャート上に水平線を引き、どう考えるかを3例挙げてみました。
水平線の引き方と利用法に決まったルールはありませんが、その企業の「歴史」と「現在の立ち位置」が、水平線で明確になります。その後の売買の参考になさってください。
ただしもちろん、株価チャートだけでなく、ファンダメンタルなども考慮した総合的な判断によって投資をすることも大切です。
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